京都・嵐山駅が幻想的にリニューアル、デザインは森田恭通

2013.07.12

嵐電(らんでん)の名称で親しまれている京都の京福電気鉄道・嵐山駅が、13日のリニューアルに先駆けてプレスに公開された。デザイン伊勢丹新宿店のリモデルなどを手がけた森田恭通。2002年に同氏が行った第1期の駅舎改修から11年が経過し、駅周辺への集客計画が順調に推移、今回は駅のコンコース自体に創造性を持たせ、“エキナカ”効果を狙ったデザインとなっている。

今回のリニューアルでは駅構内と周辺エリアの一体化を実施。街と駅を仕切っていた改札口を撤去し、ホームと線路の周囲を“広場”として、ベンチなどを設置し、誰でも自由に回遊・滞在できる「電停のある小さな街」を実現した。

2002年に改装した駅正面(西口)が「はんなりゾーン」として3,000の竹と京都の銘店街で構成したのに対し、今回改装を実施したコンコース側は「ほっこりゾーン」として新たに駅東口を新設。「キモノフォレスト」と呼ばれる友禅をLEDで透過させたアクリルポールを約600本林立させ、日没以降には、入舎する車窓からも幻想的な風景が広がるエンターテイメント性を持たせた。

また、コンコース内に嵐山温泉の足湯、駅前の天龍寺にちなんだ「龍の愛宕池」にはカスタムペインターの倉科昌高作の龍を設置、震災復興を願う「福島三春町の滝」も植栽された。

北側コンコースに新た導入されたテナントには宇治茶の産地の和束町と京福電鉄のジョンイントベンチャーの日本茶カフェ&バーも出店されるなど「従来、あまり訴求できていなかった日没以降の嵐山エリアの魅力を打ち出せれば」と京福電鉄の鈴木浩幸・事業推進部部長。

「日本の駅のパブリックゾーンの白い光の空間が僕自身苦手で、今回のリニューアルでも自分自身の得意とする“光”をデザインのテーマに置いた。外国の観光客が訪れて、京都らしいと感じる駅の必要性を以前から感じており、“ザ・キョウト”の嵯峨嵐山でのランドマークになれば」と森田恭通氏は話す。
編集部
  • 今回のリニューアルを手がけたデザイナーの森田恭通、キモノ・フォレスト(友禅の光林)にて
  • 2002年にリニューアルされた正面エントランスにもキモノフォレストを導入
  • 2002年にリニューアルした嵐電・嵐山駅正面エントランス
  • 駅東口から駅舎への風景。夕暮れの車窓は幻想的
  • 駅東口の龍の愛宕池、龍の絵は倉科昌高作
  • 嵐電のレトロ車両
  • 宇治茶の産地の和束町が手がけるジャズが流れる日本茶バー「ARASHIYAMA JK WAZUKA」
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  • 和束町のPRに同町のインターンシップ生も
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