鹿児島睦が太宰府天満宮で描く“造形”の世界とは。「#鹿児島睦展」【Report--2/2】

2017.03.08
鹿児島のオリジナリティあふれる作品の魅力、それは構成力のある「図案」と独自の技法で生み出す「造形」にある。今回はそれらをテーマにした展示会を、三菱地所アルティアムと太宰府天満宮、2カ所の会場で同時開催する大規模な試みとなっている。続いては、梅の花香る太宰府天満宮で開催中の「鹿児島睦の造形展」へ。


■太宰府天満宮で体感する
「鹿児島睦の造形展」

「造形展」の舞台となったのは、菅原道真を祀る総本社、太宰府天満宮の宝物殿。境内には約6000本、200種類の梅の木が開花を迎え、初春を告げる頃。可憐な梅花がほころぶ季節にちなんで、造形展は太宰府天満宮の神事「曲水の宴」がテーマになっている。

薄暗く照明を落とした会場では、まず展覧会のシンボルである梅の木を象った造形作品に迎えられ、続いて、梅にちなんだ太宰府天満宮の所蔵作品にも親しめる。その中に、人形作家であり歌人でもあった鹿児島寿蔵の紙塑人形も6体展示。当時、異端と言われたのが納得できる、独創的かつ前衛的な造形美。寿蔵と鹿児島に気概ともいえる共通点を感じながら、いよいよメイン会場へ足を運んだ。

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一面真っ白な空間に、積層段ボールで制作した人の背丈ほどある梅の木々が立ち並び、白玉砂利の“小川”が流れる。学芸員やボランティアと一緒に作ったという作品は、平安時代から天満宮に伝わる神事「曲水の宴」を鹿児島流に解釈したインスタレーション。訪れた人は梅林の中へと誘われるように自由に回遊でき、ウグイスの声だけが響く静謐な時間に思いを馳せることができる。ここでも「自由に歩いて楽しんでほしい」と願う、鹿児島の柔軟なアートの試みに触れることができた。

また、今回の展示にあわせて、鹿児島の大伯父にあたる紙塑人形の創始者であり人間国宝・鹿児島寿蔵の人形も特別に展示をしている。

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太宰府天満宮 宝物殿 所蔵


大・小、平面・立体、伝統と新感覚の表現と。梅が花開くように、思考がふくらみ、ほころんで結実するまでの様を、「ふたつの鹿児島睦展」では、深く知って、感じ楽しめる。見る人のイメージまでも軽やかに広げ、幸せな気持ちにしてくれる鹿児島ワールド。地元・福岡の地を巡って、その素晴らしさに浸ってほしい。

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両会場ともに撮影が許可されており、「人を楽しませる鹿児島の眼差し」が伝わってくる。



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太宰府天満宮では、鹿児島が博多の和菓子店「鈴懸」とコラボした干菓子「梅とうぐいす」(1300円)を公式土産として販売している。


三菱地所アルティアムで開催中の「鹿児島睦の図案展」の紹介へ


【展覧会情報】
#鹿児島睦展

「鹿児島睦の造形展」
会場:大宰府天満宮宝物殿 企画展示室
住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1
会期:2017年3月12日まで
時間:9:00~16:30(入館は16:00)
料金:一般400円(300円)、高大生200円(100円)、小中生100円(50円)※()内は30名以上の団体割引料金
休館日:1月30日を除く、月曜休館

「鹿児島睦の図案展」
会場:三菱地所アルティアム
住所:福岡県福岡市中央区天神1-7-11 イムズ8階
会期:2017年3月12日まで
時間:10:00~20:00
料金:一般400円(300円)、学生300円(200円)、高校生以下無料 ※()内は前売り料金
前田 亜礼
  • 「鹿児島睦の造形展」
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  • 福岡県立美術館所蔵
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