森美術館「宇宙と芸術展」、最前線宇宙開発やチーム・ラボ新作などから宇宙と人の関係性に迫る

2016.07.10

「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」が、2016年7月30日から2017年1月9日まで、東京・六本木の森美術館で開催される。

本展では、歴史的な天文学資料、現代アーティストによる芸術作品、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西の宇宙に関する多様な出展物約200点を一挙公開。「人は宇宙をどう見てきたか?」「宇宙という時空間」「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」「宇宙旅行と人間の未来」という4つのセクションを通して、未来に向かっての新たな宇宙観、人間観を提示することを試みる。

「人は宇宙をどう見てきたか?」のセクションでは、歴史的な宇宙観の一端を紹介。南北朝時代、室町時代に描かれた両界曼荼羅や星曼荼羅、方位に宿る神々を描いた十二天像、日本最古のSF小説とも言える「竹取物語」の絵巻、日本初公開となるレオナルド・ダ・ヴィンチの天文学手稿、ケプラー、ニュートンなどの天文学や科学の初版本、北山善夫、北脇昇、前田征紀、向山喜章による現代美術作品が展示される。また、明治時代に富山県に流れ落ちた隕鉄と呼ばれる鉄の隕石から作られた伝説の日本刀「流星刀」も展示し、日本古来の刀から宇宙と地球の関係性を探る。

「宇宙という時空間」のセクションでは、ブラックホールや多元宇宙を表現したビョーン・ダーレムの大型インスタレーション《ブラックホール(M-領域)》をはじめ、ヴォルフガング・ティルマンスの写真作品《金星の日面通過》、古来の時間観測法である日時計を表現したコンラッド・ショウクロスの大型のキネティック・インスタレーション《タイムピース》、太陽光の強度を音で表現し、何千本もの太陽活動の記録映像に重ねたセミコンダクターの3チャンネル・ビデオ・インスタレーション《ブリリアント・ノイズ》などが展示される。

「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」のセクションでは、隕石や化石を起点に、ピエール・ユイグや杉本博司、瀬戸桃子の人類史を超えた世界、江戸時代のUFO伝説とも言われる「うつろ舟の蛮女」、荒俣宏のSF雑誌コレクションが展示されるほか、ローラン・グラッソの作品に見られる宇宙人像、最先端の遺伝子工学やA.I.技術などについて言及したパトリシア・ピッチニーニ、ヴァンサン・フルニエの作品、さらには、セクシーでメカニカルな女性を造形し、エアロスミスのアルバム「Just Push Play」のアルバムジャケットにも使用された空山基の《セクシーロボット》が登場する。

「宇宙旅行と人間の未来」のセクションでは、チームラボによる本展のための新作インスタレーション《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space》や、トム・サックス、野村仁、逢坂卓郎、ジュール・ド・バランクールなどの作品を通して、人間と宇宙の関係とその未来について考える。また、アメリカとロシアの宇宙開発の歴史や、JAXAの「ISS/きぼう 文化・人文社会科学利用パイロットミッション」参加作品、月面住居や火星住居モデル、民間月面無人探査に参加するHAKUTO、MITメディアラボ、ネリ・オリックスマンの宇宙服など、宇宙開発の最前線が一堂に展示される。

なお、会期中には、トークセッションやアーティストトーク、シンポジウムなども行われる予定だ。詳細は、森美術館のオフィシャルサイトをチェックしよう。


【イベント情報】
「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
会期:2016年7月30日~2017年1月9日
時間:10:00~22:00(火曜日は17:00まで)
※いずれも入館時間は閉館時間の30分前まで
料金:一般1,600円、学生(高校・大学生)1,100円、子供(4歳~中学生)600円
休館日:会期中無休
中村陽介
  • チームラボ|《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space》|2016年|インタラクティブ・デジタル・インスタレーション|4分20秒|サウンド:高橋英明
  • セミコンダクター|《ブリリアント・ノイズ》|2006年|マルチチャンネル・ビデオ・インスタレーション|10分(ループ)
  • コンラッド・ショウクロス|《タイムピース》|2013年|アルミニウム、鉄、機械、ライト|サイズ可変|展示風景:ラウンドハウス、ロンドン
  • 《両界曼荼羅》|鎌倉時代(14世紀)|双幅、絹本着色|各235.5×197.2 cm|所蔵:三室都寺、京都
  • 《両界曼荼羅》|鎌倉時代(14世紀)|双幅、絹本着色|各235.5×197.2 cm|所蔵:三室都寺、京都
  • 岡吉国宗|《流星刀》|1898年|隕鉄|刃長68.6 cm 反り1.5 cm|所蔵:東京農業大学図書館|撮影:木奥恵三
  • ヴォルフガング・ティルマンス|《金星の日面通過》|2012年|紙にインクジェットプリント|約44×33 cm|所蔵:ワコウ・ワークス・オブ・アート
  • ビョーン・ダーレム|《ブラックホール(M-領域)》|2008年|木、スケール、蛍光灯、電球、着色剤|450×500×900cm|撮影:ブレイズ・アディロン|Courtesy:サーチ・コレクション、ロンドン |
  • パトリシア・ピッチニーニ|《ザ・ルーキー》|2015年|ファイバーグラス、シリコン、毛|48×65×46 cm|作家蔵|Courtesy:トラルノ・ギャラリー、メルボルン、ロズリン・オクスレイ9・ギャラリー、シドニー、ホスフェルト・ギャラリー、サンフランシスコ
  • 空山 基|《セクシーロボット》|2016年|FRP、鉄、金・銀メッキ調塗料、LEDネオンライト|182×60×60 cm|Courtesy:NANZUKA|撮影:Tanaka Shigeru
  • コンスタンチン・ツィオルコフスキー|手稿(『宇宙旅行アルバム』より)|1933年|鉛筆、紙|31.1×22.7 cm|所蔵:ロシア科学アカデミー・アーカイブ(ARAS)|ARAS. F. 555. File 84. Sheet 15.
  • スペース・エクスプロレーション・アーキテクチャ・アンド・クラウズ・アーキテクチャ・オフィス|《マーズ・アイス・ハウス》|2015年|3Dプリント模型、台座に内照ライト、映像|45×44×48.3 cm|作家蔵|画像提供:Clouds AO/SEArch
  • トム・サックス|《ザ・クローラー》|2003年|フォーム、接着剤、木、金属製フレーム|185.4×61×101.6 cm(シャトル)|114.3×200.7×171.5cm(台)|Galerie Thaddeus Ropac, Paris/Salzbulg|撮影:Philippe Servent
  • スプツニ子!|《ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩》|2013年|ビデオ|5分4秒|撮影:Rai Royal|画像提供:SCAI THE BATHHOUSE
  • ネリ・オックスマン《カマール、月を彷徨う人》|2014年|所蔵:ストラタシス|撮影:Yoram Reshef
  • セミコンダクター|《黒い雨》|2009年|シングルチャンネル・ビデオ|3分
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