東京都現代美術館が約3年の休館を経ていよいよオープン

開催日:2019.03.29
2019.03.27
東京都現代美術館が、おおよそ3年にわたる休館を経て、いよいよ3月29日にリニューアルオープンを迎える。

仲條正義がデザインした開館当時より使用している同館ロゴ。
デザイナー仲條は今回リニューアルを記念して、「+」を「++」とした1年間限定で使用する記念ロゴも手掛けた。

リニューアルは、経年劣化による諸設備の改修と利便性の向上を目的とした館内の全面的な更新。 床・壁・天井といった内装を全面的に張り替えた展示室や講堂は、ホワイトキューブの輝きを取り戻しより明るい空間へ。また、空調機を始めとした設備機器も全面的に新しくなり、来場者にも作品にとってもより良い環境となった。

正面エントランスから入館すると、まず変化に気がつくのはチケット/インフォメーションや、ホールに設置された掲示板、ベンチなどの什器。昨年HAY TOKYOなども手掛けたスキーマ建築計画の長坂常が設計したサイン什器は、白色の木材が明るい印象を与えている。各フロアやレストラン、トイレ等へ誘導するための館内サインは、美術館を隅々まで楽しめるよう、また海外からの来館者へも分かりやすい目印になるようにと、株式会社日本デザインセンター色部デザイン研究所の色部義昭によって白と黒でシンプルにデザインされている。




またコルクを用いたベンチは、館内いたるところへ様々な形で配置。木場公園側のパークサイドエントランススペースなどの屋外へは、パラソル付きのピクニックテーブルとともに設置し、公園の続きのようにパブリックスペースとして使ってもらえるよう整備された。屋外展示場には、サウンド・アーティスト鈴木昭男の代表的作品シリーズ「点 音(おとだて)」を、同館のために新たに制作作品したなども展示されており、美術館内だけでなく周囲あちらこちらでもアートに触れられる仕掛けに。


鈴木昭男の作品「点 音(おどだて)」は、自然の音に耳を澄ますポイントを記すもの。
館内、屋外とあらゆるところに設置され、それを巡るためのマップも用意されている。

さらに、地下1階の美術館図書室は、子ども向け美術書を集めたコーナーを拡張し「こどもとしょしつ」を新設した他、映像資料が閲覧できる「メディアブース」も新設。


元々のレストラン、カフェ&ラウンジスペースには、スマイルズの手掛ける新店舗がオープン。地下1階には、家族で楽しめるレストラン「100のスプーン 東京都現代美術館内」が、2階には、新業態の「二階のサンドイッチ」が入居する。100本のスプーンは、食事をとりながらアートに触れたり、作品を描いたり、自分自身が作品になったりと様々な仕掛けを散りばめた、子どもから大人までが美術館での新しい楽しみを発見できるレストランになっている。

レストランの席を待つ時間、退屈しないようにとメニューの表紙が塗り絵になっている。
天井がミラーになっている席。
スマートフォンのインサートカメラを使い、
テーブルに置いて写真を撮ると自分たちが食事をしている様子が頭上から撮影できるという仕組み。

美術館内中庭のパブリックスペースにもつながる「二階のサンドイッチ」は、定番、日替わりのサンドイッチや、コーヒー紅茶、アルコール、いちごミルクといった自家製ドリンクを味わえる。店内での飲食はもちろんテイクアウトも可能。

デザートサンドイッチも。
「自家製カスタードとフルーツ」(580円)

「二階のサンドイッチ」店内

東京現代美術館になくてはならない存在だったミュージアムショップ「ナディッフ コンテンポラリィ(NADiff contemporary)」も再オープン。以前同様、展覧会図録など現代アート関連書籍を始め、様々なアーティスト、クリエーターによるユニークなプロダクトMOTオリジナルグッズを取りそろえる。またリニューアル記念版MOTオリジナルトートバッグや、「途中でやめる」で知られる山下陽光がリニューアル記念に制作したタペストリー作品などといったリニューアルオープン記念アイテムも登場する。

「ナディッフ コンテンポラリー」店内
山下陽光のブランド「途中でやめる」のTシャツやワンピースも取り扱う。
トートバッグは期間限定で販売されるリニューアルオープン記念アイテム。


今回こけら落としとして、企画展示室とコレクション展示室において2つの展覧会を企画。同館の所蔵する約5,200点の作品から一部を大規模に紹介する。地下2階、1階、3階にある企画展示室3フロアすべてを使って行われるのは、「百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-」展。100年にわたる日本の美術を、同館ならではの実験精神溢れる視点で紐解く。

もう一方のコレクション展示室では、「MOT コレクション ただいま / はじめまして」展を開催。3年弱の休館中に新たに収蔵された約300点の作品を中心に、宮島達男、中園孔二、サイモン・フジワラ、南川史門など、戦後美術から近代、現代に至る幅広いジャンルの同館のコレクション作品を紹介する。さらに、修復を経て戻ってきたアンソニー・カロ、リチャード・ディーコンの彫刻に加え、新たに加わったオノ・ヨーコ《クラウド・ピース》といった屋外コレクションにもぜひ注目していただきたい。

ちなみに初日は入場無料で、通常18時閉館のところ20時まで開館時間を延長するとのこと。


【美術館情報】
東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで、美術図書室の利用は18:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間
チケット:
MOTコレクション / 一般 500円(400円)、大学生・専門学生 400円(320円)、高校生・65歳以上 250円(200円)、中学生以下無料 ※( )は20名以上の団体料金
企画展 / 展示内容により観覧料は異なる  ※企画展チケットでMOTコレクションの観覧も可能

【展覧会情報】
百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-(Weavers of Worlds - A Century of Flux in Japanese Modern / Contemporary Art -)
会期:2019年3月29日〜6月16日
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階、3階、地下2階

MOT コレクション ただいま / はじめまして(MOT Collection: Pleased to meet you. New Acquisitions in recent years)
会期:2019年3月29日〜6月16日
会場:東京都現代美術館 コレクション展示室1階、3階


編集部
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