名店、新店、職人 パリで和菓子に出会う【CHAPTER.3:パリの和菓子職人】

2018.11.24
文化が織り込まれた和菓子が、いま欧米諸国でも注目されている。美食大国であり、お菓子の国であるフランスパリで、人々に愛される和菓子店や和菓子職人など、パリの和菓子を訪ねてみた。

在仏10年の和菓子職人が語る
映画と“どら焼き”の関係とは? 


和菓子の名店、新店を訪ねた後は、パリで活躍する和菓子職人・村田崇徳さんのもとへ。

村田さんは、製菓学校で和菓子を学び、京都老舗和菓子舗で修業。その後、洋菓子職人の兄が修業するパリへ。ミシュラン一つ星の高級日本料理店「あい田」で和菓子職人として働き、ロマン・ガイヤさんと「パティスリー朋」を立ち上げた。



パリの和菓子職人、村田崇徳さん
©️KOJIMA




銅鍋で餡を練る村田さん。十数年にわたり使い続ける大切な仕事道具。


「ちょっとのつもりで来てからもう10年に」と笑う村田さん。パリで和菓子、いや餡に注目が集まったきっかけを「ここ数年、世界的な健康ブームで和菓子が注目されていることもあります。ただ「パティスリー朋 TOMO」のどら焼きに大きく影響したのは、河瀬直美さんの映画『あん』でした。映画のおかげで、餡やどら焼きに興味や関心をもつひとが増えた」と話す。また和菓子が大好きなフランス人のロマンさんが、店を開くことで「フランスのひとたちに、より和菓子を身近に感じてもらえた」と村田さん。



「どら焼きはおまかせ」と、ジャポニスム2018の和菓子ライブパフォーマンスもお手伝い


フランス人も満足させる、本格的な和菓子を提案したい


現在は、来年開店予定である自身の和菓子屋「TAKANORI MURATA PARIS」の出店準備中だ。「パリでは、餡のおいしさがわかるひと、またアレルゲンの少ない米粉でつくる和菓子を好むひとが増えてきました。もちもちした食感の餅菓子は、フランス人も好きな人が多い。長くパリで仕事をしてきて、フランス人の好みもわかってきました。それをふまえ、より本格的な和菓子を提案する店にしたい」。



村田さんが手掛けるシャンパーニュの葛まんじゅう、どら焼き、フランス産栗の焼き栗、芥子の実大福など
©️KOJIMA




『TAKANORI MURATA PARIS』でも提供したいと話す、美しい和菓子「氷菓」
©️KOJIMA




パリの和菓子屋「TAKANORI MURATA PARIS」が話題となる日は、そう遠くないはずだ。





取材・文/森 有貴子

<プロフィール>
江戸の老舗や職人などの取材が多く、相撲、歌舞伎、落語と江戸文化好き。
オンラインマガジン「暮らしとおしゃれの編集室」(主婦と生活社)にて「大人の江戸あるき」というコラムを連載中。2019年から和菓子連載を予定。


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