京都の新緑に囲まれた歴史的建造物がギャラリーに、写真祭KYOTOGRAPHIE開催

2015.02.06

京都歴史的建造物や近現代建築を会場とする「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2015」が開催される。期間は4月18日から5月10日まで。

今年の写真祭では全15ヶ所の会場に、9ヶ国14組の作家が作品を出展。「TRIBE:あなたはどこにいるのか?」をテーマに、様々な“TRIBE(部族)=集団”の発見を目的とした写真が展開される。そこには、先住民文化や歴史のみならず、現代ポップカルチャーなどの思想や文化などあらゆる視点が用いられ、写真を通して自分の立ち位置を再認識しようという試みだ。

期間中には20世紀を代表する写真家マルク・リブーの未発表作品をフィーチャーした「Alaska展」が、老舗帯問屋「誉田屋源兵衛 黒蔵」を巡回。更に、幕末の武士を写した肖像写真などフランス国立ギメ東洋美術館アーカイブが、「虎屋」の京都ギャラリーで一般向けでは初めて公開される。

また、日初となる展示では、ジャズの名門ブルーノート・レコードの撮影を手掛けた、フランシス・ウルフのプリントがニューヨークから初上陸。文化財にも登録された伝統的町屋「嶋臺ギャラリー」に展示される。また、人種差別や貧困テーマとする南アフリカのロジャー・バレンも、代表作「OUTLAND」シリーズの最新映像を、コム デ ギャルソン京都店で放映。更に、新作45点を加えた写真集が世界で初めて披露される。

一方、日本人ではパリを拠点に活動するヨシダキミコが、グッチGUCCI)の支援によって今回日本では初となる作品展を開催。重要文化財に指定された杉本家住宅に、彼女のセルフポートレートが並べられる。ドライブ感溢れるスナップを撮る山谷佑介も、作品を出品する予定だ。

なお、写真祭の期間中には京都府内にある35ヶ所の画廊やカフェなどで、サテライトイベント「ケージープラス(KG+)」を開催。若手を中心とした50人のアーティストによる作品が公開される。その他、ニューヨークの写真専門施設「ICP」による連続講座や、写真界の専門家による一般参加者のポートフォリオレビュー、ブルーノートレコードによる音楽イベントなどの催しも行われ、23日間にかけて京都をアーティスティックな街へと変貌させる。
HEW
  • ロジャー・バレン[擬態]、2005
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