ヴァージル・アブロー劇場の幕開け、新生ルイ・ヴィトン メンズ【2019春夏メンズ】

2018.06.26

オープニングルックは白のモヘアダブルのスーツに白のポプリンシャツに白のエナメルのカフリンクス。スーツに合わせたボディバッグと同じ白の「キーポル」の型押しのバッグには白のプラスティックを思わせるチェーンが垂らされる。次々にオールホワイトのスタイリングが続き、このまま全てが白のアイテムなのでは? と思わせる演出は、これはオフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH™)ではないというヴァージル特有の謎解きゲームのスタートだった。

前任デザイナーのキム・ジョーンズ(Kim Jones)がディオール メンズに移籍したことに伴い、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)メンズ アーティスティック・ディレクターのバトンを受けたそのファーストコレクションは、驚きの連続だった。

6月21日、パリのパレ・ロワイヤルで行われた会場はエリアごとにレインボーカラーに染まり、庭園の長い一辺を全て使用したランウェイをゲストは快晴の天気の中歩いて席に着く。全ての席がフロントローで、各席にはそのエリアの色のTシャツが用意され、席の後ろには同じTシャツを着たスタッフや学生がスタンディングでショーを鑑賞する。上空でドローンが浮かんでいるが、俯瞰で見る景色は壮観だろう。

全身白のモデルが次々に歩いてくる。ネオプレーンのベルベットに“モノグラム”が施されたトップス、オーガンジーのパーカーにも“モノグラム”、デニム、洗いをかけたカーゴパンツ、ミンクジャケット、クロコダイルのレザートレンチ、レインポンチョ、レザースニーカー、全て白。ユーティリティポケットの付いたレザーベストにカーゴパンツ、赤のグローブに赤のアクセントが効いたスニーカーブーツのスタイルまで前半の17ルックは圧巻だ。

キャメルのジャケットに合わせられたキルティングされた蛍光イエローのベスト、マルチカラーのタイダイのアノラックや同柄のオーガンジーのシャツなども蛍光イエローのアイテムが効果的に配される。白にトープ、黒、赤とタイダイされたパターンは様々なアイテムで展開され、全身赤のルックに流れていく。再びキャメルのレザー赤のルックを挟み、蛍光オレンジのベストにターコイズのサテンシャツ、カーゴパンツ、蛍光イエローの胸当てにターコイズのユーティリティポケットの付いたシャツと、まるで老練なDJの選曲のような流れでショーが進行する。オーバーサイズのデニムジャケット、“モノグラム”の透明カラーの「キーポル」はプラスティック風のキーチェーンが新しいシグニチャーとして誕生し、グリーンや赤の透明の“モノグラム”バッグなど、新しさがふんだんに盛り込まれているが、今回コラボは一切無く、キム・ジョーンズが築いた新しいルイ・ヴィトンの路線をヴァージル・アブローが継続していくことを宣言したような全56ルック。

終盤に登場したナイロンのアノラックから手刺繍のジャケットまで展開された花柄は今回のショーの要素の一つでもある「オズの魔法使い」からインスパイアされたものだという。オズがさまざまな仲間と出会って、皆の協力で成長していく様子を今回のショーに重ねている。主人公のドロシーの仲間がシルエットになった手編みのセーターが謎解きながら、フィナーレでカニエ・ウエスト(Kanye West)とハグして涙したまま、ヴァージルがランウェイを向こうから下を向きながら歩いて来たシーンは、さながらリアリティショーを見ているような錯覚に陥った。確かに新しい時代の到来であることを実感させられる。


Text: Tatsuya Noda
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