三越伊勢丹、伊勢丹松戸店リモデルで地域百貨店の新しいビジネスモデルを提案

2013.06.07
三越伊勢丹ホールディングスは5日、同社が3ヶ年計画において掲げる「あたらしい地域百貨店ビジネスモデル」構築について、その概要を発表した。

これは、同社が首都圏三越伊勢丹の支店やグループの地域店において、変化し続ける地域の顧客ニーズに対応し、競争力と収益力を備えた店舗を展開していく新たな取り組み。その基的な考え方として、同社は「地域ニーズにあわせた領域の強化」「“ハイブリッド型”店舗化」「店舗の独自性強化」からなる三つのポイントを打ち出している。

このビジネスモデルを形にした第一弾が、来年開店40周年を迎える伊勢丹松戸店のリモデル。今年秋のオープンに向けて、「地域に密着し、親子三世代(子育てファミリー)のご要望にお応えする『みんなで集えるマイストア』の実現」という、具体的なストアコンセプトが明らかにされた。現在の同店舗は団塊世代が主要ターゲットだが、リモデル店舗ではエリア内で増加傾向にある団塊ジュニア世代のファミリー層を新たなターゲットに加えていく。

リモデルにあたって取り入れる具体的な手法は、“ハイブリッド型”店舗の構築。伊勢丹が自主運営する部分と専門店が運営する部分に共通のコンセプトを打ち立て、フロア内の効率的な配置や顧客の回遊性向上を図る。ギフト需要など百貨店ニーズが強い分野は、ユニットショップによる自主販売強化で対応。また、これまで伊勢丹が手薄だった領域の品ぞろえについては、有力専門店の導入によって拡充を図る。

“ハイブリッド型”店舗構築の一例として、書籍(ジュンク堂)、文具(丸善文具)、アウトドア(好日山荘)の新規導入が予定されている。「衣・食・住・遊・美・学」など生活全般にわたる幅広いラインアップ化で、顧客に対する生活関与度を向上させていく構えだ。 一方、「地域ニーズにあわせた領域の強化」という側面から注目されるのが、百貨店では初出店となる「ボーネルンドあそびのせかい」。これは、世界の遊び道具の店「ボーネルンドショップ」と親子の室内遊び場「キドキド(KID-O-KID)」を併せ持つ複合施設。伊勢丹松戸店の新たなターゲットが団塊ジュニア世代のファミリー層であることから、店内に安全で安心できる子供の遊び場を設けることになった。

具体的なフロアプランについては、現在詳細を検討中。三越伊勢丹ホールディングスは伊勢丹松戸店のリモデルを手始めに、各商圏エリアにおける店舗の価値向上を図っていく。
薄井テルオ
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