勇壮華麗な日本の「かざり」、matohuが魅せた攻めの姿勢【2018春夏ウィメンズ】

2017.10.18

まとふmatohu)が10月13日、東急プラザ銀座6階KIRIKO LOUNGEで2018年春夏コレクションを発表した。matohuが追及する、日人が培ってきた美を見つける視点「日本の眼」シリーズ、16回目となる今回のテーマは「かざり」。翌日より東急プラザ銀座で始まった「日本の眼・いき」展のオープニングイベントとしてショーを行った。

今回のコレクションについて「今まではどちらかというと“わび・さび”といった物静かできれいめな日本を表現してきましたが、今回は、その対極にあるど派手でエネルギッシュな部分、祭りの山車や日光東照宮の装飾に見られる勇壮華麗な日本の美意識をmatohuなりに表現しました」とデザイナーの堀畑裕之氏は語る。

「かざり」の言葉の語源が「挿頭(かざし)」、草を「髪に挿す」ことからくる点に着目し、今回のコレクションのデザインテキスタイルに落とし込んでいったと堀畑氏が語る通り、ファーストルックから牡丹柄のワンピースが登場し、明るく鮮やかな世界観を提示した。

畑中正人氏によるピアノの生演奏とともに、金や銀をポイントで使ったルックや鳥の羽柄が背中全体にプリントされたルック、きらきらと輝く鳥の羽や雲をモチーフにしたイヤリングを身に着けたルック、しめ縄や牡丹の花をモチーフにしたストローハットを被ったルックが次々と登場。型に捕らわれず大胆に色や装飾を楽しむルックの数々からは、matohuの“攻め”の姿勢がうかがえた。

今回のコレクションは、バッグや帽子などの小物をオートモードヒラタの石田欧子、京都在住のアーティスト裕人礫翔、アクセサリー作家の播安芸子・長野大洋らとコラボレーションすることで、装飾的で派手な「かざり」世界観を追及することができたという。テキスタイルの制作では、2メートル60センチもある大判の生地に手描きでペイントを行うなど、作業的にもエネルギーを費やしたと、堀畑氏は振り返る。

また、matohuは「生活の中で、文化として楽しんで服を着てほしい」との想いから、冊子『Ren』を刊行していくことを発表した。誌面ではイベントの告知やレポートクリエイターとの対談などを掲載し、matohuの目指す新しいファッションコミュニティーを盛り上げるためのプラットフォームとして制作していくという。「今後はブランド発信でmatohuの活動を伝えて行きたい」とmatohuの2人は語った。
辻あい子
ページトップへ