インターネットが届けるMagic Moment【MY LITTLE PARIS1/2--ファニー・ペショダ】

2015.01.04

仕事や家庭など、様々な場面で活躍する女性達を紹介するインタビュー企画「輝く女性の秘密」。第14回は、フランスで最も成功したウェブサイトの一つである「マイ・リトル・パリ(MY LITTLE PARIS)」の創業メンバー、CEOのファニー・ペショダ(Fany Pechiodat)さんとイラストレーターのKanakoさんをパリに訪ねました。

MY LITTLE PARISは、2008年に、パリのおすすめショップやレストランを紹介するニュースレターとしてスタート。その後口コミで広まり、現在180万人が購読。「ファッショニスタお気に入りウェブサイト」(マダム・フィガロ紙)としても知られる。11年末、毎月異なるテーマを元にコスメアクセサリー、ミニ雑誌などが届けられるサプライズボックスサービス「マイ・リトル・ボックス(My Little Box)」事業をフランス、ベルギーでスタート。現在、8万人以上が購入する人気サービスとなった。13年には日本でもMY LITTLE BOXのサービスが始まり、毎月パリから届くサプライズボックスを多くの女性が心待ちにしています。

そんなMY LITTLE BOXのオフィスは、パリ9区の駅すぐ近くのビル内。緑が美しい中庭を抜けてオフィスに入ると、吹き抜けになった共有スペースを中心に、エディトリアルチームやカスタマーサービス、エンジニアチームなど各部署の部屋が設けられています。それぞれの部屋にキッチンがあり、カップには持ち主の顔のイラストが描かれていました。新しいスタッフが入るとマグカップを贈呈するんだとか。壁にはKanakoさんによるイラストが描かれ、スタッフの写真や、ユーザーからのメッセージ、ビンテージ家具などが飾られています

このお洒落なオフィスの最上階、サクレクール寺院が見える部屋でファニーさんが出迎えてくれました。

――素敵なオフィスですね、こんな場所で働いてみたいです。

MY LITTLE PARISでは、常にスタッフ皆がクリエーティブであるようにと考えています。 人はクリエーティブに生まれるのではなく、クリエーティブになるのだというのが私の考え。そのために、働く場所は大切にしています。インテリアも皆で作り上げたもので、ビンテージアイテムの中には、私が蚤の市で買ってきたものもありますよ。

例えば、すべてのスタッフが、クリエーションに関することなら、どんなでも際限なく買うことが出来るようになっています。クリエーティブマネーという、クリエーティブな活動、例えばデザインの素材や料理のためのキッチンツールを買うといったことを奨励する予算もあります。新アイデアが思い浮かんだ人がいつでもそれをオンラインで発信できる仕組みも。クリエーティビティーには沢山のプロセスがあって、それをオーガナイズすべきだと思っています。

――すべての部署が一つの建物に集まっていますね。

グラフィックやエディトリアルなど、MY LITTLE PARISに関するクリエーションはすべて自分達で手掛けます。イメージを完全に思い通りにコントロールしたいからです。そうやってMY LITTLE PARISの世界観を作り上げているんです。

――3人で始めたビジネスが今やスタッフ85人に、11年に引っ越してきたこのオフィスも当初1フロアのみだったのが今では5フロアにまで拡大したそうですね。ここまでビジネスが拡大した秘訣は?

才能ある人材を集めることが出来たのが大きいです。今でも、友達など様々なネットワークを使って探しています。同じ志を持ったスタッフは皆ファミリーのようなもの。 毎年皆の思い出を集めた本も作るんですよ。これからももっと才能のある人々を惹きつけられる会社にしていきたいと思っています。

――ライフスタイルをテーマにしたビジネスを始めた理由は?

起業する前に資生堂でアニエス・ベーのコスメやジャンポール・ゴルチエ香水の仕事をしていました。そこでビューティーに関するマーケティングを学んだことと、ファッションアートも好きだったので、MY LITTLE PARSにはそれらすべて、ライフスタイル関するビジネスになりました。それに私は新しい物を見つけるのが好きで、パリも大好き。

――ここまで成功すると思っていましたか?

いえ、予想以上の結果です。誰も着目しないところにチャンスがあると思って始めたのですが、起業当時はネットも何も知らなかったんです。お金もなかった。だからこそ気付けることがあったし、イノベーティブになれたのだと思っています。恐れを知らなかったのが強みですね。

――13年には日本でも展開が始まりました。

お陰様で日本のビジネスも好調です。Kanakoが日本人だし、(日本進出前から)日本のブロガー達が興味を持っていてくれたので、チャンスがあると思ったんです。日本の女性がパリ好きなのも知っていましたが、日本に行ってそれを実感しました。ディテールへのこだわり、センスなど日本とパリの女性には共通点が多いですね。

――日本人女性についてどう思いますか?

日本人女性もクリエーティブだからどんどん仕事して、起業すべきよ!ファッションもビューティーも、いろんなことを知っているし。きっと成功する人がたくさん出てくると思います。

――しかし起業はとてもリスキーですし、日本人女性はシャイです。

インターネットビジネスなら、パソコンの後ろに隠れることが出来ますよ(笑)。というのは冗談ですが、インターネットなら、簡単に出来ることがたくさんある。自分を信じて挑戦して欲しいです。

――今後の抱負は?

14年にはロンドンにも進出しました。これから他の国にもどんどん進出していきたいと思っています。そして、たくさんの人にMagic Moment(素晴らしい時間)を届け続けることが私の夢です。

――最後に、(机に飾ってある)この絵はKanakoさん直筆ですか?

先日の誕生日にKanakoがくれたものです!私達の最初の出会いの場面を描いてくれました。その頃私はバリバリのキャリアウーマンだったので、スーツ姿なの。Kanakoには本当に助けられてきました。

後編では、MY LITTLE PARISの世界観を支え続けてきたKanakoさんが登場です。


【ファニー・ペショダプロフィール】
My Little Paris創業者兼CEO。フランスの資生堂で「ジャンポール ゴルチエ」のマーケティングを担当していた時、2008年に友人50人へ向けたニュースレターを送ったのがMY LITTLE PARISの始まり。その後「冷たいインターネットの世界に、エモーションと煌めきを与えたい』という思いから、新インターネットビジネスを立ち上げるために資生堂を退社。「フランスのインターネット史上最も成功した口コミサイト」を運営する女性として賞賛を受ける。2012年には、フランス代表するビジネス・ウーマンの1人にも選ばれている。
編集部
  • MY LITTLE PARIS創業者でCEOのファニー・ペショダさん
  • イラストレーターのKanakoさんがファニーさんに贈ったイラストには、2人の出会いの場面が描かれている
  • サクレクール寺院が見えるファニーさんの部屋。このビルに入居した際は、この1部屋だけのオフィスだったという
  • 中庭を抜けてオフィスへ
  • MY LITTLE PARISのオフィス
  • 壁に飾られた、ユーザーからのメッセージ
  • オフィス内の共有スペース
  • 会員180万人。パリの人気サイト「MY LITTLE PARIS」
  • 日本でも展開する「MY LITTLE BOX」
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