理想の暮らしを考えるアイデア。ミラノ在住インテリア・プロダクトデザイナー・伊藤節さんと伊藤志信さんの家《前編》【From cities 世界の都市に憧れて vol.19】

2021.10.14
©STUDIO ITO DESIGN
連載【From cities 世界の都市に憧れて】では、パリミラノ、NY etc...世界の都市の街のこと、注目アドレスやリアルなシティスナップなど、現地からの最旬情報をお届け! 近い未来、また気兼ねなく海外へ行き来できるようになったら行ってみたい、暫くは、そんな気持ちも込めてお送りしていきます。

第19回目は、ミラノで暮らす日インテリアプロダクトデザイナー・伊藤節さんと伊藤志信さんの素敵な家にフォーカス。2年前にリフォームされた夫妻のご自宅をレポートします。随所に登場する彼らが手掛けた家具も必見。早速チェックして。


リフォームとインテリアコーディネートで理想的な生活空間に。
インテリア・プロダクトデザイナー・伊藤節さんと伊藤志信さんが暮らす家

「このミラノの家は、2年前にリフォーム。自分たちでデザイン設計し、増築と全面改装をしました。キッチン、壁や床のサーフェイス、作り付けのワンオフの家具も自分たちで設計。置きの家具も私たちのデザインした家具を中心にレイアウトしています」(インテリア・プロダクトデザイナー・伊藤節さん、伊藤志信さん)


■Dining
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自身でデザインしたダイニングテーブル(280×120㎝)。脚は鉄、トップは、「カウリ」という5万年前の木を採掘して透明樹脂で補修し、イタリアの職人技術により、フラットに作り上げた。普段の食事の際はもちろん、会食にも使われるというこのテーブルは、自宅の食卓でありながら、プライベートと仕事、どちらのシーンでも関わるもの。

■Nicchia sakana
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ダイニングとリビングを繋ぐニッキアには、伊藤節さんの父でありイタリアに所縁のある彫刻家・伊藤鈞氏の魚の彫刻作品が。日中の光の変化、夜の照明によって色々な表情を見ることができる。

■Cabinet
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二人で手がけ、イタリアの老舗ブランドから製品化されている和がコンセプトのキャビネット。オークの木の表面を炭化させ、鉄スラブと組み合わせて、黒いサーフェイス仕上げに。上部には、鮮やかなピンク色の陶器が飾られ、キャビネット周りのスタイリングにアクセントを添えている。ブラックとピンク。このカラーのコントラストがシックなキャビネットの魅力をいっそう引き立てている。ちなみに、この陶器のも彼らによってデザイン、製品化されたもの。

■Living-light
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リビングの照明には、伊藤節さんの師匠である建築家、アンジェロ・マンジャロッティによる名品から、透明ヴェネチアンガラスのライトを。ライトの下に置かれたメタルと木のローテーブルは、二人がデザインし製品化されているもの。

■Kitchen
©STUDIO ITO DESIGN
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リビングにあるセカンドキッチンは、自然の描く模様が面白いトスカーナのカーニックグレーのマーブル製。

■Living arm chair
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アームチェアスペースは、自身の作品で構成。なお、床に用いられている石材は、天然のベージュが美しいヴィチェンツァのライムストーン。この石は、ローマ時代から採掘されており、後期ルネッサンスの歴史的著名建築にも用いられている。

■Living side table
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自身のデザインによるメタル製の可動式サイドテーブル。

■Living scalupture
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季節による緑と、彫刻の空間を楽しむスペース。


インテリア・プロダクトデザイナーならではのこだわりが詰まった家、いかがでしたか? ぜひ、部屋作りの参考にしてみてくださいね。次回の【From cities 世界の都市に憧れて】では、本記事《後編》として、引き続き、伊藤節さんと伊藤志信さんのご自宅レポートを展開。こだわりのテラスにフォーカスしていきます。

■デザイナー:伊藤節・伊藤志信
建築、インテリア、スペースからプロダクト、パッケージデザインまで多岐にわたるデザインを総合的に行っているデザイナー。1997年ミラノにデザイン事務所を設立し、世界各国のクライアントに対する幅広いデザイン開発、デザインコンサルタント業務に携わる。世界中で展示会、講演会を行い、東大先端研をはじめイタリアと日本の数多くの大学でも教育、研究活動を行っている。
URL:studioito.com


編集部
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