ゴッホ展が東京と兵庫で開催! 7年ぶりの来日となる『糸杉』やセザンヌやモネらの作品も展示

開催日:2019.10.11-2020.03.29
2019.10.17
強烈な色彩で人々を魅了し続ける画家、フィンセント・ファン・ゴッホ展覧会「ゴッホ展」が、10月11日から2020年1月13日まで上野の森美術館にて、2020年1月25日から3月29日まで兵庫県美術館にて開催される。


豊かな表現力と鮮やかな色彩で、今もなお世界中から愛される画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。37年という短い人生のうち、画家として活動したのはわずか10年間に過ぎない。その短い画業にもかかわらず、唯一無二の表現を獲得しえた背景には、大きな2つの出会いがある。

27歳で画家として生きることを決意したゴッホを導いた「ハーグ派」。これまで焦点を当てられる機会が少なかったが、ゴッホは農村生活を静謐な筆致で描いた彼らから画家としての基礎を学んだ。その後パリに出て「印象派」と出会い、躍動する色彩の虜となった。

「ゴッホ展」では、約40点のゴッホ作品に加えて、マウフェやセザンヌ、モネなどハーグ派と印象派を代表する巨匠たちの作品約30点や、ゴッホが手紙の中で語った言葉を交えながら、独自の画風にたどり着くまでの過程を掘り下げて紹介する。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦畑》 1888年6月 油彩、カンヴァス 50×61cm P. & N. デ・ブール財団
© P. & N. de Boer Foundation

今回、7年ぶりの来日となる《糸杉》をはじめ、《麦畑》《オリーヴを摘む人々》など、晩年のゴッホが重要なテーマとして挑み続けたモティーフの作品にも注目。また、ゴッホが手掛けた数多くの静物画の中でも“最も美しい作品のひとつ”と称される名作《薔薇》も登場する。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《パリの屋根》 1886年春 油彩、カンヴァス 45.6×38.5cm アイルランド・ナショナル・ギャラリー
© National Gallery of Ireland

また、世界中から貴重な作品が集結することも、みどころのひとつ。これまで日で開催されてきたゴッホ展は、故郷オランダの所蔵作を中心に構成されることが多かった。今回は、ゴッホとハーグ派の重要なコレクションを所蔵するオランダ・ハーグ美術館館長の監修のもと、イスラエルやスイス、モナコ公国など10か国・地域、25か所にわたる所蔵先からの借用を実現。記録で確認されるかぎり日本初公開となる《パリの屋根》など、これまで日本で紹介される機会が少なかった貴重な作品と対峙できる。

クロード・モネ 《クールブヴォワのセーヌ河岸》 1878年 油彩、カンヴァス 50.5×61cm モナコ王宮コレクション
© Reprod. G. Moufflet/Archives du Palais de Monaco

この他、アフタヌーンティー ティールーム(Afternoon Tea TEAROOM)では、10月1日から11月13日まで、全国約80店舗で、色彩豊かなゴッホの絵画のように、多彩な4種のスイーツと好きな紅茶を楽しむ本展とのスペシャルコラボレーションメニュー「秋限定スペシャルセット」(税込1,914円)が登場。また、映画『ゴッホとヘレーネの森』が10月25日に、映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』が11月8日から公開されるなど、本展とあわせて楽しめる企画が目白押し。

【展覧会情報】
ゴッホ展
東京展
会期:10月11日〜2020年1月13日
会場:上野の森美術館
住所:東京都台東区上野公園1-2
時間:9:30〜17:00(金曜、土曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日:12月31日、1月1日
料金:一般1,800円(1,600円)、大学・専門学校・高校生1,600円(1,400円)、中学・小学生1,000円(800円)※()内は20人以上の団体割引料金。障がい者手帳をお持ちの方とその介護者1名は無料(要証明)

兵庫展
会期:2020年1月25日〜3月29日
会場:兵庫県立美術館
住所:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1
時間:10:00〜18:00(金曜、土曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝祭日の場合は開館し、翌火曜日休館)
料金:一般1,700円(1,500円)、大学生1,300円(1,100円)、70歳以上850円(750円)、高校生以下無料 ※()内は前売および20人以上の団体割引料金。70歳以上は前売なし。障がい者手帳をお持ちの方は、一般400円、大学生300円(要証明)、介護者1名は無料
編集部
  • 「ゴッホ展」開催
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《疲れ果てて》 1881年9-10月 鉛筆・ペン・インク・筆・不透明水彩、簀の目紙 23.4×31.2cm  P. & N. デ・ブール財団
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《農婦の頭部》 1885年 油彩、カンヴァス 46.4×35.3cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《ジャガイモを食べる人々》 1885年4-5月 リトグラフ(インク・紙) 26.4×32.1cm ハーグ美術館
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《器と洋梨のある静物》 1885年 油彩、カンヴァス 33.5×43.5cm ユトレヒト中央美術館
  • アントン・マウフェ 《4頭の曳き馬》 制作年不詳 油彩、板 19.5×32cm ハーグ美術館
  • マテイス・マリス 《出会い(仔ヤギ)》 1865-66年頃 油彩、板 14.8×19.7cm ハーグ美術館
  • ポール・セザンヌ 《オワーズ河岸の風景》 1873-74年 油彩、カンヴァス 73.5×93.0cm モナコ王宮コレクション
  • カミーユ・ピサロ 《ライ麦畑、グラット=コックの丘、ポントワーズ》 1877年 油彩、カンヴァス 60.3×73.7cm 静岡県立美術館
  • クロード・モネ 《クールブヴォワのセーヌ河岸》 1878年 油彩、カンヴァス 50.5×61cm モナコ王宮コレクション
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《パリの屋根》 1886年春 油彩、カンヴァス 45.6×38.5cm アイルランド・ナショナル・ギャラリー
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《タンギー爺さんの肖像》 1887年1月 油彩、カンヴァス 45.5×34cm ニュ・カールスベア美術館
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《アニエールのヴォワイエ・ダルジャンソン公園の入口》 1887年 油彩、カンヴァス 54.6×66.8cm イスラエル博物館
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《麦畑》 1888年6月 油彩、カンヴァス 50×61cm P. & N. デ・ブール財団
  • フィンセント・ファン・ゴッホ 《糸杉》 1889年6月 油彩、カンヴァス 93.4×74cm メトロポリタン美術館
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