新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、予定されていたイベント期間や発売日等に変更が発生している可能性があります。配信中の記事は、配信日時点での情報になります。

ポーラ美術館で初の現代美術の企画展、モネやピカソら巨匠と現代アートが共演

開催日:2019.08.10-12.01
2019.08.21
箱根ポーラ美術館では、初となる現代アート企画展覧会「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展を、8月10日から12月1日まで開催。展覧会にあわせて制作された新作や、展でしか鑑賞できないインスタレーション作品を公開する。

オリヴァー・ビア《悪魔たち》(部分)2017年 16個の器、音響機器フォーリンデン美術館蔵(ワッセナー、オランダ)Image courtesy of the artist and Galerie Thaddaeus Ropac © Oliver Beer Photo: Stephen White
「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」は、ポーラ美術館の企画展としては初めての現代美術の作家たちを本格的に紹介する展覧会。展覧会タイトルである「シンコペーション」(切分法)とは、音楽において、軸となる拍の位置を意図的にずらし、リズムを変化させることで楽曲に表情や緊張感をあたえる手法だ。

今回の展覧会にあわせ、立地環境を活かしたインスタレーションや、ピカソ、セザンヌなど同館のコレクションにインスピレーションを受けて制作された新作が展示される。空間全体に広がるインスタレーション、音、映像作品、野外展示など、現代の作家たちによる多様な表現は、過去の巨匠たちの作品に今日的な光を当て、感覚を揺さぶるさまざまなリズムをもたらす。

セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art© Céleste Boursier-Mougenot 写真:木奥惠三
セレスト・ブルシエ=ムジュノの《クリナメン v.7》は、展示室内の窓から箱根の緑を望む空間に作り出した円形のプールに、大小の白い陶磁を浮かばせ、偶然の衝突を誘発する作品。印象派のクロード・モネが、画家を志したころから水に注目し、後半生には自宅に睡蓮の浮かぶ池を造成して水面を繰り返し描いたように、水の流れや動きには、古今東西を問わず、思想、文学や美術において、「時のうつろい」の感覚が託されてきた。

ここでは、2人の作家がそれぞれの時代に造りあげた環境の中で、久しくとどまることのない水面のうつろいが捉えられている。

アブデルカデル・バンシャンマ 《ボディ・オブ・ゴースト》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art
写真:木奥惠三

ダイナミックな大地のヴィジョンをモノクロームのドローイングで表現するアブデルカデル・バンシャンマ。一方、バンシャンマが敬愛するクールベは、地殻変動の跡があらわな岩山や、起伏のある土地を画題に求めて森を探索した。アブデルカデル・バンシャンマ × ギュスターヴ・クールベの作品では、自然界の持つ底知れぬ生命力に魅せられたアーティストたちが、その魔力を筆にのせて驚くべき風景を描き出す様を感じられる。

また、描くことの原点、さらにはリアリティを追究する主題として、画家たちが挑んできた肖像。渡辺豊は、ピカソ、セザンヌ、フジタとそのモデルたちの「名前」をインターネット上に求め、真偽の混じるいくつものイメージを参照しつつ、「キュビスム」を想起させるポートレートを制作。渡辺の探究の成果として、リアルでユーモラスなポートレートの現在形が呈示されている。

スーザン・フィリップス《ロング・ゴーン》2006年 2チャンネル・サウンド・インスタレーションInstallation view: Aspen Art Museum, 2008 Photo: Susan Philipsz
同美術館の森の遊歩道には、楽器や環境音、自身の歌声などを用いて、空間と物語、音に関する作品を制作するスーザン・フィリップスのインスタレーションが設置される。音楽の印象派とも称される作曲家ラヴェルの歌曲を題材とすることで、同美術館のコレクションの核をなす印象派絵画との共鳴を生みだした。

第一線で活躍する12組の現代作家たちと、モネやピカソら近代芸術の巨匠とのセッションにより生み出される、新たな共鳴と響きを堪能してみては。

【展覧会情報】
「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展
会期:8月10日~12月1日
会場:ポーラ美術館
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285
時間:9:00~17:00(最終入館は16:30まで)
※会期中無休
編集部
  • セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art © Céleste Boursier-Mougenot 写真:木奥惠三
  • セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art © Céleste Boursier-Mougenot 写真:木奥惠三
  • セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art © Céleste Boursier-Mougenot 写真:木奥惠三
  • 渡辺豊(展示風景) 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art 写真:木奥惠三
  • アブデルカデル・バンシャンマ 《ボディ・オブ・ゴースト》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art 写真:木奥惠三
  • アブデルカデル・バンシャンマ 《ボディ・オブ・ゴースト》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art 写真:木奥惠三
  • ポーラ美術館
  • クロード・モネ《睡蓮》1907年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
  • セレスト・ブルシエ=ムジュノ《クリナメン v.2》2013年  ポリ塩化ビニル製シート、ポンプ、加熱装置、陶磁器  Installation view: Centre Pompidou-Metz © Céleste Boursier-Mougenot Photo: Rémi Bertrand
  • オリヴァー・ビア《悪魔たち》(部分)2017年 16個の器、音響機器 フォーリンデン美術館蔵(ワッセナー、オランダ)  Image courtesy of the artist and Galerie Thaddaeus Ropac  © Oliver Beer Photo: Stephen White
  • アンリ・マティス《リュート》1943年 油彩/カンヴァス ポーラ美術館蔵
  • スーザン・フィリップス《ロング・ゴーン》2006年  2チャンネル・サウンド・インスタレーション  Installation view: Aspen Art Museum, 2008 Photo: Susan Philipsz
  • アブデルカデル・バンシャンマ《宇宙創生の響き》2018年  アクリル/コーティング・シート Installation view: Collège des Bernardins, Paris Photo: Jean-Mathieu Gautier
  • プリンツ・ゴラム《火災、あるいは夜の革命》2012年 シュプレンゲル美術館「抽象の部屋」でのパフォーマンス © Prinz Gholam
  • ヴォルフガング・ティルマンス 《Weed》2014年 インクジェット・プリント 個人蔵 Courtesy: Wako Works of Art © Wolfgang Tillmans(展示期間:8/10 – 10/5)
ページトップへ