WEWILL、パンク演出のクチュール仕立て【 2019-20秋冬メンズ】

2019.02.22
ウィーウィル(WEWILL)の2019-20年秋冬コレクションが東京・丸の内TOKIAにあるP.C.M. パブ・カーディナル・マルノウチで発表された。



通常のパブにモデルを入れ、ゲストはドリンクを飲みながらコレクションに触れられるというインスタレーション形式。3月のアマゾンファッションウィーク東京(AFWT)のタイミングではなく、独自で独立したショーを毎シーズン継続開催しているブランドは東京では数少ない。

2017-18年秋冬のデビューコレクションは南青山・骨董通りの地下のイベントスペース。2ndシーズンは秩父宮ラグビー場、前々回と前回はAFWTのオフィシャル・スケジュールとして渋谷の駐車場の地下にあるクラブ、表参道ヒルズでショーを開催。今回は自身の旗艦店がある銀座に近いホームグランドでの新作披露。そのシーズンごとに東京を象徴する場所でのプレゼンテーションは、グローバルな展開を視野にいれたマイルストーンを着実に歩んでいるように見える。

今シーズンのテーマは「デスク パンク(DESK PUNK)」。デザイナーの福園英貴は「机の上で考えたパンク。これまでのコレクションに比べて、自身の内面を服に表現したシーズン」と解説する。パンクの表現を借りてはいるが、素材の切りっぱなしや糸のほつれ、スタッズなどの暴力的なディテールは使用せず、各アイテムはこれまで通り美しい始末が施された仕上がり。

ジャケットやコートはこれまで同様にゆったりしたシルエットながら、今回のテーマに合わせタイトなシルエットのアイテムも加わった。安全ピンの代わりにブランドロゴやデビュー時から使用されている“KROY WEN”のロゴがプリントされたビニールテープを、さまざまなアイテムに貼り付けることで破壊的な要素をアレンジしている。




タータンチェック、革のライダース、ボンテージパンツ、モヘアニット、グレンチェックといったパンクや英国トラッドを代表するアイテムが、同ブランドらしいやわらかな素材と軽さ、生地のバイアス使いによる新しさなどで提案されている。カモフラ柄に見えるコートもナチュラルでボタニカルなトーン。チェーンの代わりにパールのネックレス、ロングベルトもゴールドメタルとハイソな遊びもダイバーシティな時代性を感じさる。

ブランド特有の都会的なイメージや繊細さを伝えるには、ランウェイよりオートクチュールを思わせる今回のようなプレゼンテーションの方が向いているかもしれないと思わせた演出。


Text by Tatsuya Noda
野田達哉
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