“音楽界の異端児”エリック・サティの活動記録【NADiffオススメBOOK】

2015.05.14

各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフNADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。

■「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次

「〈のための〉ぶよぶよした前奏曲」など、シニカルでユーモラスなタイトルを作品につけたことでも知られる、フランス音楽家エリック・サティ。革新的な技法により、その後の西洋音楽に大きな影響を及ぼしたサティだが、その作風と変わった言動から“音楽界の異端児”と称された。鼻眼鏡に山高帽、やぎ髭をユニフォームとし、雨でもないのにを持ち歩き、死後、サティの部屋から夥しい数の雨傘の山が発見されるなど、その変わり者エピソードは数知れず。

サティが生きた時代、美術の分野ではフォーヴィスム、キュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムなど様々な芸術運動が次々と展開。サティは、同時代の芸術家、ピカソやコクトー、マン・レイ、デュシャンなどの作品に強く関心をもち、芸術家たちもまた、サティの音楽を愛し、影響を受け、自らの作品に変換していった。

書は、マン・レイによって「眼をもっていた唯一の音楽家」といわれたエリック・サティの芸術活動に焦点をあて、ピカソ、コクトーなど同時代の芸術家たちとの交流を豊富な作品と貴重な写真で紹介。サティを通して狂乱の時代のパリを感じられる1冊となっている。

また、7月8日~8月30日まで、Bunkamura ザ・ミュージアムにて「エリック・サティとその時代展」が開催。会場では、サティの音楽とともに、サティの活動を芸術家との交流なかで捉え、刺激を与え合った芸術家たちの作品を通して、作曲家サティの新たな側面を感じることができる。(※本書は、今回の展覧会のカタログとは異なる)

書籍情報】
「エリック・サティ展 」
監修:オルネラ・ヴォルタ
訳:大森達次
出版社:ゆまに書房
言語:日本語
ソフトカバー/174ページ/B5変型
発刊:2000年11月
価格:2,700円
NADiff
  • 「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次
  • 「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次
  • 「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次
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