若きフローリストが辿る道。フラワーショップ「ディリジェンスパーラー」越智康貴に訊く、これまでのこと、これからのこと【INTERVIEW】

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2018.06.07
表参道を歩いているとふと目にする、ハンドル付きのセロファンでラッピングされたスタイリッシュなブーケ。贈り物なのか自分用なのか、それを携え行き交う人々は、みな一様に満たされた顔に映る。

このアイコニックなフラワーを提供するのは、表参道ヒルズに入居する人気フラワーショップ「ディリジェンスパーラー(DILIGENCE PARLOUR)」。店舗のことをより深く知るため、代表を務める若きフローリスト・越智康貴をフォーカス。ショップのことや自身について語ってもらった。




FASHION HEADLINE(以下、FH):越智さんがフローリストになるまでの経歴を教えてください。

越智康貴(以下、越智):文化服装学院を卒業後、美容の資格取得のための学校へ通うことが決まっていました。入学まで半年ほど期間が空き、せっかくなので経験のないことに取り組もうと、某百貨店内の花屋でアルバイトを始めました。当時は花に関しての知識が皆無で、基本的な花の扱いや組み方をそこで学びつつ、並行してフリーランスのフローリストとしての活動を始めました。専門学生時代の同級生やアルバイト先の人との縁が繋がって、花の仕事を頼まれることが多かったので。そのまま仕事が増えていき、結局半年後に入学した学校には通うことなく、そこから今までフローリストの道を歩んできました。


FH:服飾を学びながら、花の道へと進むことになったのはなぜですか? 

越智:専門学校に通っているときは、服を作るのが本当に苦手でした。単純に向いていないと思ったし、自分に可能性が感じられなかった。逆に花は手に馴染むような感覚があり、しっくりきたんです。何となく、“大丈夫そうだな”と思えました。




FH:そもそも、花への興味はいつ頃芽生えたのでしょう。

越智:学生時代にアルバイトをしていたショコラティエのジャン=ポール・エヴァン(JEAN-PAUL HÉVIN)が、ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)とコラボレーションをしたのが印象的でした。こういう仕事があるんだな、と思って。その当時はパーソナルに活躍する男性フラワーアーティストが目立っていました。もっと遡れば、授業や趣味で美術に触れる中で、ダニエル・オスト(Daniël Ost)氏や中川幸夫さんのことを知ったり、男性フラワーアーティストが目に入る機会が多かったんです。花への興味が先行したというよりは、アーティスト自身へ向けられた興味が、次第に花とリンクしていったように感じます。


FH:フリーランスで活動されていた越智さんが、ディリジェンスパーラーをオープンするに至った経緯を教えてください。

越智:当時たまたま通りかかった表参道のシアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)というブティックのディスプレイに、空の花瓶が置かれているのを見て、空のままじゃもったいないので花を活けたい、と電話をかけたんです。それがディリジェンスパーラーの協業者である、シアタープロダクツのディレクター兼社長・武内昭との出会いでした。もともと武内はずっと花屋をやりたかったようで、そこにタイミング良く僕が現れたらしく。最初はショップの花やコレクション用の装花を依頼されているだけだったんですが、その後2011年に伊勢丹新宿店に出店したシアタープロダクツのイベントショップで花を売ったのがディリジェンスパーラーのスタートです。シアタープロダクツ表参道店内で小さな花屋を運営しつつ、それから縁が繋がって表参道ヒルズに出店する花屋のコンペに参加できることになり、2016年に表参道ヒルズにディリジェンスパーラーをオープンするに至りました。「DILIGENCE PARLOUR」というのは、シアタープロダクツが2010年にラフォーレ原宿前に期間限定で出したワゴンのアイスクリーム屋で、その屋号をそのまま使いました。




FH:フローリストとして順風満帆なキャリアではないでしょうか。

越智:どうでしょうか。最初は本当に何もできなかったんです。シアタープロダクツに電話したときも、とりあえずやってみたらと言ってはもらえたんですが、当時はまだ花のことも空間のことも分かっていないから作るものも程度が知れていて。武内は京都造形大の准教授も務めていて、長い目で見て“教える”という感じの人。発想が貧しい、など突き刺さるようなことも多々言われましたが、モノの見方を養ってくれましたし、さまざまなセンスをもらいました。ディリジェンスパーラーはオープン当初、週末だけの営業でした。なので時間の空いた平日は、青山にあるデリカッセンのパリヤ(PARIYA)でも働いていました。そこのオーナーである吉井雄一さんとの出会いも大きかったです。吉井さんからも花の依頼をもらいましたが花屋以上に花屋らしい発想をお持ちというか、お客様に対する提案というものが真摯で。その頃はとにかくすごく考えて花と向き合いましたね。武内も吉井さんも花が好きで、そんな二人との縁がいまの自分に繋がっています。それにシアタープロダクツやパリヤにいたことで、ファッション関係の繋がりがものすごく広がりました。視覚的に得た情報って驚くほどに拡散が早くて、展示会や商業施設での仕事が一気に増え、あっと言う間にラグジュアリーブランドなどからもお声がけいただくようになりました。






インタビューの続きは、表参道ヒルズのHPにて公開!
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【プロフィール】
越智康貴(フローリスト)
フラワーショップ「ディリジェンスパーラー」オーナー、株式会社ヨーロッパ代表。フローリストとして活動する傍ら、多方面の媒体で執筆活動も行なっている。

【店舗情報】
ディリジェンスパーラー(DILIGENCE PARLOUR)
住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ地下1階
電話:03-6434-7826
営業時間:11:00~21:00
http://www.omotesandohills.com/shops_restaurants/shops/002699.html

【問い合わせ先】
表参道ヒルズ(総合インフォメーション)
電話:03-3497-0310
http://www.omotesandohills.com/
畑 麻衣子
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