米DELL社が取り組む、一生分の電子ゴミをアート化させるプロジェクト

2018.04.07

今日、アメリカでは1日に約14万2,000台ものコンピューターが廃棄されている。

非常に深刻な問題として取り上げられている中、テキサス州ラウンドロックに社を置く大手デル(DELL)社はユニークな方法でその問題解決に取り組んでいる。それは要らなくなったコンピューターを回収しリサイクルを行う世界規模のプログラムで、1人でも多くの人にリサイクルについて知ってもらい、関わってもらうことを狙いとしている活動だ。

デル社は古いパソコンの部品から金やプラスチックを取り出す技術を開発し、そこから新しい部品を生み出すことを可能にした。その「過去」を用いて「未来」を創り出すというコンセプトにアーティスト、ヴォン・ウォン(Von Wong)が共感した。彼は非現実的な場面をまるで本物のように見せる写真を撮影することで知られるアーティスト。ポジティブなソーシャルインパクトを与える企業とコラボレーションすることに熱心であるため、デルの活動に興味を持ち今回のプロジェクトが実現した。

彼には約1,800キログラムの電子部品のゴミが材料として支給された。これはアメリカ人1人がその一生で生み出す電化製品のゴミの重さに値するそうだ。ウォンがSNSを使い作業を共に行うボランティアを募ったところ50人集まり、いよいよその制作はスタート。1日に10時間以上、合計10日間チーム一丸となり制作にあたった。時間と予算に限りがあるため、メンバーによる提案でフォースド・パースペクティブという、被写体を撮影する角度を限定させる手法を取り入れてカバーをした。



今回のプロジェクトはキーボードをぎっしりと並べ近未来の宇宙船のようなものをイメージさせる作品、基盤を組み合わせて迫り来る波のように見せる神秘的な作品、そしてサンドアートの如く中心から渦のようにラップトップが配置された作品の合計3点が作られた。使用された廃棄品たちはデルのリサイクルマシーンへ投入され再利用されるそうだ。ウォンはこのプロジェクトによって、リサイクルが明るい話題になり広まってくれることを願っている。


オフィシャルサイトでは今回のプロジェクトのほか不要なペットボトルで海を再現した作品など、メッセージ性の高い作品たちを見ることができる。


※本記事は (引用元: http://www.vonwong.com/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
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