ミラノで今週発表の「モンクレール ジーニアス」は藤原ヒロシ、二宮啓など8名による“マンスリー”コレクション:レモ・ルッフィーニ・モンクレール会長【インタビュー】

2018.02.15

モンクレールMONCLER)が2月20日にミラノファッションウィークで発表される2018-19年秋冬コレクションと共に、新たにスタートするプロジェクトモンクレール ジーニアス」の内容を発表した。

“1つのメゾンによる異なる8つのボイス”を掲げた同プロジェクトは、トムブラウンによる「モンクレール ガム・ブルー(MONCLER GAMME BLEU)」、ジャン・ヴァティスタヴァリによる「モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)」コレクションの廃止後のモンクレールの方向性を決定づける重要なビジョン。日からの藤原ヒロシ二宮啓を含む8人のクリエイターが起用され、マンスリープロジェクトとして毎月新たなコレクションがリリースされる。モンクレールの各ブティックはモンクレール ジーニアス ビルディングとしてリニューアルし、世界各地でポップアップが予定されている。

ミラノでの2月20日のコレクションに先だってレモ・ルッフィーニ会長兼CEOにメールインタビューを行った。

2月13日の朝、ミラノ市内を走っていたトラムのラッピング広告

Q:モンクレール ジーニアス ビルディングの8つの窓についてご説明ください。起用されるクリエイター、起用されたその理由も合わせてご説明頂けますでしょうか?


レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini以下、R):モンクレール ジーニアスは素晴らしい才能を持つクリエイター達の新たなハブであり、彼らが共に活動する場であると同時に、それぞれの才能を高める場であると考えています。私のビジョンではモンクレール ジーニアス プロジェクトにおける各クリエイターのユニークさは、カスタマーのユニークさを反映するものになります。多様性こそがモンクレールのアイデンティティを形作るものであり、当初から我々は、グローバル・ダウン・ストラテジーと言われる、若者からビジネスパーソン、劇場やガラへ向かう女性たちまで、多様な顧客を惹きつける、シンプルでクリアなストラテジーを掲げています。モンクレール ジーニアスはプロダクトを中心に据えて、消費者をその受け手としています。モンクレール ジーニアスこそが様々な個性を持ったすべてのターゲットに訴えかけ、対話し続ける手段だと感じています。今回共にコレクションを作り上げたクリエイターの方々を紹介します。




1. Moncler Pierpaolo Piccioli (ピエールパオロ・ピッチョーリ)
2. Moncler 1952 – curated by Karl Templer (キュレーターとしてカール・テンプラー)
3. Moncler Grenoble – Sandro Mandrino (サンドロ・マンドリーノ)
4. Moncler Simone Rocha (シモーネ・ロシャ)
5. Moncler Craig Green (クレイグ・グリーン)
6. Moncler Noir – Kei Ninomiya (noir kei ninomiya/二宮 啓)
7. Moncler Fragment – Hiroshi Fujiwara (fragment design/藤原ヒロシ)
8. Moncler Palm Angels – Francesco Ragazzi (Palm Angels/フランチェスコ・ラガッツィ)


Q:この8つの窓の数が増減することはありますか? また今回起用されたクリエイターの任期は決まっているのでしょうか?


R:クリエイティビティーに限界はなく、モンクレール ジーニアス ビルディングは才能あふれるクリエイターたちがモンクレールという1つのブランドの下で、そのDNAを生かし、共に活動するハブとなることを確信しています。彼ら全員と共に歩み続けたいと思っていますが、同時にモンクレール ジーニアスは開かれた場でもあります。


Q:今回のプロジェクトが「パブリックと即座にダイレクトにつながることが出来る」という内容をもう少し教えて頂けますでしょうか?


R:モンクレール ジーニアス ビルディングでは、各クリエイターが人々を自然と惹きつける、モンクレール独自の表現方法を用いています。より具体的にお話しすると、モンクレール ジーニアスは、それぞれの強みの一端にまで目を向けて、カスタマーの特異性と多様な嗜好を理解しているということです。モンクレールはクリエイティビティー、ビジョン、リサーチ、テクノロジーの革新と共に歩みながら、毎年発表するコレクション通して、ブランドの独自性を磨き、それを表現する方法を絶えず探し出してきました。コレクションを複合させるアイデアは、新たなクリエイティビティーの方向性を絶えず探る中で生まれた、自然な進化であったと言えます。


Q:上記質問に関連するかも分かりませんが、このプロジェクトのリアル店舗(B&M)に関して、出店や展開計画を教えてください。


R:モンクレール ジーニアス ビルディングは、ミラノ・ファッションウィークの幕開けとなる2月20日の夜に全貌が発表されますが、その一つひとつは6月から始まる各コレクションに関連したそれぞれのマンスリープロジェクトを通して明らかになっていきます。モンクレール ジーニアスがブティックで展開されるにあたり、店舗は多様を打ち出すエネルギーに満ち溢れた場となっているでしょう。


Q:今回の発表をパリニューヨークではなくミラノで行った理由を教えて頂けますか?


R:ミラノ・ファッションウィークの幕開けは、我々にとって非常に重要な意味を持ちます。パリやニューヨークの後に、大切なプロジェクトを発表する場としてミラノを選んだのは、2003年にブランドを買収し、全てをスタートさせた特別な意味をもつこの街とモンクレールとの親密な関係を祝し、敬意を示したかったからです。


お忙しい中、FASHION HEADLINEのインタビューにお時間を割いて頂き、ありがとうございました。


Text: Tatsuya Noda
野田達哉
  • モンクレール ジーニアス ビルディング(MONCLER GENIUS BUILDING)のマンスリープロジェクト
  • レモ・ルッフィーニ会長兼CEO
  • 2月13日の朝、ミラノ市内を走っていたトラムのラッピング広告
  • 2月13日の朝、ミラノ市内を走っていたトラムのラッピング広告
ページトップへ