暮らしに“しつらえた”琵琶湖を囲む工芸たち。キギのショップOFSの「around Lake Biwa」展【レポート】

開催日:2018.01.13-02.12
2018.01.19


アートディレクターの植原亮輔と渡邉良重によるキギKIGI)が共同主催する東京白金の住宅地の一角にあるショップ&ギャラリー、アワ フェイバリット ショップ(OUR FAVOURITE SHOP)では、滋賀のもの作りを紹介した「around Lake Biwa vol.2 〜しつらえる〜」が開催中。“しつらえる”をテーマに“食、水、祈り”という3つのシーンを、中川木工芸の木工、大與の和ろうそく、丸滋製陶の信楽焼で展開する。



今回で2回目となる「around Lake Biwa」展のキュレーターを務めるのは、信楽焼窯元である丸滋製陶の五代目・今井智一さん。伝統工芸といえば京都金沢などが注目されがちだが、実は滋賀県には焼き物、木工、縮緬、和ろうそく、淡水真珠など、代々受け継がれてきた伝統工芸が数多く存在する。「ここ数年、滋賀の伝統工芸を考えるなかで、さまざまな職人とのつながりが生まれました。古の時代より琵琶湖に代表される雄大な自然に育まれた、滋賀の工芸を多くの人に伝えるためのプロジェクトです。今回は、木・火・土でしつらえた私たちの仕事を展示します」と今井さん。

“木でしつらえる”のは、中川木工芸。京都の桶職人の家に育ち、滋賀の比良山麓に工房を構えて15年になる中川周士さん。「工房の前には湖があり裏には山がある、そんな滋賀の豊かな自然は、もの作りにとてもいい影響を与えてくれています」と滋賀の魅力を語る。代々受け継いできた木工技法で手掛ける湯桶やシャンパンクーラー、そして箸やカトラリーという日用品からアート作品のような木の葉のカーテンまで、多彩な木のしつらえを展開する。

和ろうそくの大與は、“火でしつらえる”。滋賀は湖西の地に創業して百余年、大與の4代目となる大西巧さんは、和ろうそくの灯りは今の暮らしにも取り入れやすいと語る。「大與の和ろうそくは、ハゼの実や米ぬかなど100%植物原料です。天然由来の成分なので、家のどこでも安心して使っていただけます。また弊社の和ろうそくには、香料は一切加えていません。嫌な匂いがほとんどないので、料理そのものの邪魔をせず、食卓演出にも適していると思います」。

キュレーターを務める今井さんは、キギと手掛けるKIKOFの作り手でもある。「食のシーンにはどんな食事にもあわせやすい従来の信楽焼では考えられないほど薄く焼いたKIKOFの皿やを、水のシーンでは手水鉢や厚みあるタイルなどの伝統的な信楽焼で提案しています」と、モダンかつクラシカルに“土でしつらえる”。

木・火・土、表現は違えどもプリミティブな力強さを内包する凛とした美しさの作品たち。暮らしのなかにしつらえられた滋賀の工芸をOFSでじっくりと堪能して欲しい。


祈りのしつらえの御簾のような木の葉のカーテン
ご神木のような木片、和ろうそくで表現する祈りのしつらえ。「宗教的な意味合いだけではなく、作るものと対峙する、自身と対峙する、それも祈りのひとつだと思います」と大與の大西さん
信楽焼のタイルに置かれた、滑らかな木肌の湯桶や腰掛台。まさに湯の香りまで漂ってくるよう


【展覧会情報】
around Lake Biwa vol.2「しつらえる」
会期:2018年1月13日〜2月12日
会場:OUR FAVOURITE SHOP
住所:東京都港区白金5-12-21
時間:12:00〜19:00(ただし最終日は17:00まで)
休館日:月曜日、火曜日(祝日を除く)

■関連イベント
「中川木工芸 カトラリーワークショップ」
会期:1月28日
時間:13:00~15:00※残席わずか(追加で16:00〜18:00の回を募集中
定員:10名
参加費:2,000円

「和ろうそく大與によるひとひと茶会」
会期:2月4日
時間:①12:30~13:30 ②14:30~15:30 ③16:30~17:30 ④18:30~19:30
定員:各席4名
参加費:2,000円

いずれのワークショップもメール(reserve@ofs.tokyo)にて、件名に予約日(例:1/28予約)、本文に名前、電話番号、希望の時間帯を記入のうえ、申し込みが必要。


森有貴子
  • 祈りのしつらえ
  • 朝焼けの美しい琵琶湖を白く丸で囲んだ「中川木工芸×和ろうそく大與×KIKOFのしつらえ around Lake Biwa vol.2」のポスター
  • 「中川木工芸×和ろうそく大與×KIKOFのしつらえ around Lake Biwa vol.2」
  • 「中川木工芸×和ろうそく大與×KIKOFのしつらえ around Lake Biwa vol.2」
  • KIKOFのテーブルに器、中川木工芸のカトラリーや取り皿が並ぶ。キャンドルスタンドには、柔らかな色合いの大與の和ろうそく。穏やかな温もりを感じさせる食卓演出
  • 朝、昼、夕、月夜の琵琶湖面に映る色を配したKIKOFのお皿や水差し。都会に居ながらにして自然を感じさせてくれる
  • 祈りのしつらえの御簾のような木の葉のカーテン
  • ご神木のような木片、和ろうそくで表現する祈りのしつらえ。「宗教的な意味合いだけではなく、作るものと対峙する、自身と対峙する、それも祈りのひとつだと思います」と大與の大西さん
  • 信楽焼のタイルに置かれた、滑らかな木肌の湯桶や腰掛台。まさに湯の香りまで漂ってくるよう
  • 手水鉢には桶枠を活かした姿鏡。展示用に作られた鏡は、キギの植原亮輔さん、渡邉良重さんも絶賛!
  • 木片を活用した自然の芳香剤。薄く削り器に入れたり、棒状にしてデフューザーにするなど。「すべて大事に使い切りたい」と中川さん
  • ポップでカラフルな豆ろうそくは贈り物にも人気。「パッケージに描いた猫と鼠ですが、昔の和ろうそく屋には必ず猫を飼っていた。なぜなら植物性原料なので鼠が出るんです。うちは今も猫がいますよ(笑)」と大西さん
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