写真家・熊谷直子、初の本格作品集『赤い河』刊行記念展示&トークイベント開催

開催日:2017.11.20-12.04
2017.11.24

被写体をストレートに捉える写真が心をつかむ、写真家の熊谷直子。初の作品集『赤い河』(TISSUE PAPERS刊)の刊行を記念した展示が、12月4日まで吉祥寺のブックオブスキュラ(book obscura)にて開催中。

「これは私の人生だけど、誰かの人生でもある」

作品集『赤い河』は、愛、、死、光、命--遠く離れて暮らす母親を定期的に撮影しながら、生まれては消え、出会っては別れてゆく私たちを確かに繋ぐもののことを考えた、東日本大震災以降の6年間の記録。数々のアーティスト俳優のポートレートで活躍してきた写真家・熊谷直子の、完全にパーソナルな初の本格作品集だ。

「2011年東北での震災をきっかけに気仙沼に足を運ぶようになった。同年、11月離れて一人で暮らす母がクモ膜下で倒れ認知症になり施設で暮らし始める。毎日泣き崩れていた私に『自分の人生を生きなさい』と優しく声をかけてくれたのは気仙沼のお母さんだった。その言葉はまるで実母が私に語りかけているかのようにすっと私の身体に染み渡り、そしてこんな感情が私の中に生まれてきた。
『生まれてきて死んでゆくそれは誰しもに与えられた平等なこと過去は変えられないしましてや未来のことなんてわからない だとしたら目の前にあるこの人生をとことん生きてやろう』
過去6年間のそんな思いを、すっと掬い取り出来たのがこの写真集『赤い河』です。ぜひゆっくりとした時間の中で見て欲しいです。できれば朝の光の中で」(熊谷直子氏コメント)

流れゆく先にある風景、因果の奔流に弄ばれる我々がそれでも自ら選びとり、繋げてゆく風景を見てみたい--、熊谷のそんな思いを込めた展示が並ぶ。11月26日にはオープニングレセプション、12月2日には熊谷が「作品から濃厚な生の匂いがする」と敬愛する写真家・野村恵子をトークゲストに迎え、「生と死、そして女性であること」などお互いの表現に通底するテーマについて語るトークイベントも開催。トークイベントはメールにて事前予約制(申込先:bookobscura@indoorbooks.jp 担当:黒﨑)。「熊谷トークイベント」と題し、参加者名、人数、ご連絡先を明記の上、申し込み。 参加費は当日支払い。


【イベント情報】
つむぐ
会期:11月20日~12月4日
時間:11:00~20:00
会場:book obscura ブックオブスキュラ
住所:三鷹市井の頭4-21-5 #103
定休日:火曜日
*12月2日はトークイベントのため、17時クローズ

オープニング レセプション
会期:11月26日
時間:15:00~20:00
入場無料、予約不要

熊谷直子 × 野村恵子(写真家) トークイベント
会期:12月2日
時間:18:00~20:00
定員:30名
参加費:1,000円(ドリンク代込み)

【書籍情報】
『赤い河』
写真:熊谷直子
刊行:TISSUE PAPERS
80ページ/257×182mm
発売:2017年4月
価格:3,000円
編集部
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