古きパリを記録した近代写真の父、ウジェーヌ・アジェの展覧会が東京都写真美術館で開催

開催日:2017.12.02-2018.01.28
2017.11.23

フランス写真家ウジェーヌ・アジェ(Eugène Atget)の影響力と現代に受け継がれるスピリットを紐解く展覧会「TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」が12月2日から、東京都写真美術館にて開催される。

「近代写真の父」とも称されるウジェーヌ・アジェは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、パリとその周辺を捉えた写真家。41歳の時から30年間にわたって、歴史的建造物や古い街並み、店先や看板、庭園、路上で働く人々など、8,000枚以上の写真を撮影し、近代化が進み消えゆく運命にあった「古きパリ」を体系的に記録。その作品は当初、アジェが生計を立てるために画家や建築家、公共機関への「資料」として販売していたが、アメリカ人写真家のマン・レイ(Man Ray)と助手のベレニス・アボット(Berenice Abbott)らによって見出され、晩年から没後に高い評価を得るようになった。

展では、ウジェーヌ・アジェが後世の写真表現にどのような影響を与えたかについて、同館所蔵の作品と写真集などの資料から多角的に考察。アジェ自身の作品と同時代の写真表現、さらに20世紀から現代にかけて活躍する写真家たちの際立った作品を中心に比較することで、その輪郭を浮び上がらせていく。アジェに憧憬を抱き、手本としてきた写真家たちは後を絶たないが、彼らがアジェの写真に見出したものは一体何だったのか。現実を写す「パリの記録者」でありながら、現実を超える世界を表現したとして、世界中の芸術家たちに多大な影響を与え続ける、その謎多き写真家の正体に迫る。

会場には、同館の多彩なコレクションから厳選されたアジェのスピリットを受け継ぐさまざまな作家の作品を展示。 マン・レイ、ベレニス・アボットを始め、美しい風景写真で知られるシャルル・マルヴィル(Charles Marville)や、アルフレッド・スティーグリッツ(Alfred Stieglitz)、荒木経惟森山大道、深瀬昌久ら12作家の作品、約155点が一堂に会する他、写真評論家の横江文憲や写真史家の金子隆一を招いたトークイベントも開催される予定。


【展覧会情報】
「TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」
会期:12月2日〜2018年1月28日
会場:東京都写真美術館 3階展示室
住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
時間:10:00〜18:00(木・金曜は20:00まで)
※2018年1月2日~3日は11:00〜18:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日※月曜日が祝日の場合は開館、翌平日が休館、12月29日~2018年1月1日
観覧料:一般 600円、学生 500円、中高生・65歳以上 400円
※第3水曜日は65歳以上無料、1月2日は無料
Akiko Hanazawa
  • 展覧会「アジェのインスピレーション ひきつがれる精神」が12月2日から東京都写真美術館にて開催
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