引き算の美、ノワール・ケイ ニノミヤのミニマムな黒【2018春夏ウィメンズ】

2017.10.11

二宮啓によるノワール・ケイ ニノミヤnoir kei ninomiya)は、ヴァンドーム広場のコム デ ギャルソン社のショールームを会場に2018年春夏コレクションショーを開催した。今シーズンは、黒の使用部分を最小限に抑えながら、黒を最大限に想起させる、というコンセプトでコレクションを構築し、ストレートのイメージを念頭に置いて制作したという。

黒でトリミングしたプリーツのオーガンジーを通したドレスや、プリーツのオーガンザを黒いベルトに通したドレスは、一切ミシンを使用しない縫い目の無い服で、溜息が出るほどの繊細な美しさを見せる。黒のコードでトリミングしたPVCのジャケットも、黒を強烈に印象付けるから不思議だ。

ハンドニットのビニールチューブ製ハーネスを合わせたセットアップや、ニットと合成皮革のハーネスをリベットで繫いだトップスなど、実験的なアイテムの他に、合成皮革のリボンを巻いてのように表現したライダースなど、このブランドらしい装飾性豊かなものも。

後半に登場した、チュールをリベットで留めたトップスや、オーガンジーを巾着のようにしながら黒のベルトにリベットで留めたアイテムは、独特のボリューム感と軽やかさを漂わせ、PVCとオーガンジーを花の形にして集積した最後の2点のドレスの美しさと迫力には、観客は圧倒されるばかりだった。
Tomoaki Shimizu
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