サンローラン、メゾンのヘリテージを大胆に【2018春夏ウィメンズ】

2017.10.09

アントニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)によるサンローランSAINT LAURENT)は、パリのエッフェル塔からセーヌ川を渡ったトロカデロの噴水の上に特設された舞台で9月26日、2018サマーコレクションを発表。イヴ・サンローラン美術館オープン目前に逝去したサン・ローラン社の共同創設者であるピエール・ベルジェ(Pierre Berge)の言葉を添えたカードが客席に置かれ、追悼の意を表した。

コレクション前半はイヴ・サンローランの別荘(パリと同時に美術館としてオープン)があるモロッコのマラケシュのイメージで統一。ルースなチュニックやコード使いがエスニックテイストを漂わせている。赤・紫・黄の々を金属モールで刺繍したアイテムジュエリーなどもマラケシュのイメージで、華やかかつ享楽的な印象。

後半はイヴ・サンローランのアーカイヴから引用したデザインのアイテムで構成。ボリュームあるオーストリッチのボアを飾ったドレスや、バルーンスカートのドレスなど、どれもが超ミニ丈で、見せるためのショーツが合わせられている。レース製のものや、エッフェル塔の刺繍が付いたものまで見られた。また今シーズンは特に白のマリエ(ウエディングドレス)を1つのシリーズとして見せ、レースをはめ込んだものや、バックスキンのパーツを飾ったものなど、クチュールメゾンらしい手の込んだアイテムが並んだ。

人気のアクセサリー類も相変わらず豊富。シガレットケースやハート型のがま口バッグ、コレクションでは一際目を引いたフェザーを飾ったサンダルブーツ80年代を想起させるマルチカラーラインストーンのシューズなど枚挙に暇が無く、その充実振りを見せていた。
Tomoaki Shimizu
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