芸術の秋は原美術館へ。現代美術のイベントを続々開催

2014.08.24

原美術館では企画展や演奏パフォーマンスなど、今秋に掛けて三つのイベントを開催する予定だ。

「『アート・スコープ2012-2014』-旅の後(あと)もしくは痕(あと)』は7月12日から開催中の展覧会。この「アート・スコープ」とは日独2国間で互いに現代美術家を招聘しあうダイムラー・ファウンデーション ジャパンの芸術支援プログラムのことで、派遣されたアーティストは異文化での生活を体験しながら、その経験を踏まえた新作を発表。異国への旅程で何を感じ、それが創作活動にどのように反映されたのか。その体験を作品の中に感じ取ることができる。

2012年にはドイツからリタ・ヘンゼン、およびベネディクト・パーテンハイマーを招聘。一方、日本からは2013年に今村遼佑と大野智史を派遣しており、今回の展覧会ではプログラムに参加した4人の作品が展示された。

リタ・ヘンゼンは日本での滞在の記録を写真に収め、それをドイツの風景と織りまぜた。更に、日本での体験をモチーフとしたオブジェやドローイングなどを出品している。また、ベネディクト・パーテンハイマーは、人物の後ろ姿をロングショットでとらえた「方向転換」シリーズで定評があり、今回も日本で撮影した写真や映像作品も出品した。

一方、日本勢では今村遼佑が新作のインスタレーションを、大野智史は新作絵画をそれぞれ出品している。

10月25日からは「開館35周年記念 原美術館コレクション展」を開催。一昨年に収蔵した「対話」を始め、「線より」「点より」「風と共に」「関係項」など、リ・ウーファン(李禹煥)の代表作を俯瞰できる展示となる予定である。

リ・ウーファンは自然素材に最小限の手を加えるという独特の芸術手法で知られるアーティスト。代表作には石や鉄板を配した彫刻や、広い余白にわずかな筆を残した絵画などが挙げられ、その作品は見るものを深い思索に誘うと言われている。また、彼の作品は60年代後半になると、木や石などの自然素材を用いる「もの派」の作家に大きな影響を与えた。会場では、そんな「もの派」のほか、50年代半ばの前衛美術「具体」の作品も見られる。

9月20日には2人のサウンド・アーティストによるデュオイベント「鈴木昭男/恩田晃 デュオ・パフォーマンス」も開催される予定。鈴木昭男は日本を代表するサウンド・アーティストの一人で、創作楽器を制作することでも知られている。96年からは街のエコーポイントを探る「点音(おとだて)」プロジェクトをスタート。世界各国の美術館や音楽祭などに招待され、高い評価を受けている。一方、恩田晃は音楽カセットを使ったフィールド・レコーディングをライフワークとしており、その音源を使った作曲やパフォーマンスが人気。

会場では創作楽器「アナラポス」やカセットテープなど、それぞれが独自の音源を用いた演奏を繰り広げる。ともにヨーロッパを中心に活動してきた2人にとっても初の経験となる、貴重な共演を間近で見られる唯一の機会だ。


【イベント情報】
「アート・スコープ2012-2014」-旅の後(あと)もしくは痕(あと)
会場:原美術館
住所:東京都品川区北品川4-7-25
会期:7月12日から10月13日
時間:11:00から17:00(水曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1,100円 大高生700円 小中生500円(学期中の土曜日は小中生無料)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、7月22日、9月16日

鈴木昭男/恩田晃 デュオ・パフォーマンス
会期:9月20日
時間:17:30から(開場は17:00)
料金:4,000円(予約制・入場料込み)

開館 35 周年記念 原美術館コレクション展
会期:10月25日から1月12日
時間:11:00から17:00(水曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで)
料金:一般1,100円 大高生700円 小中生500円(学期中の土曜日は小中生無料)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館)、11月4日、11月25日、年末年始
HEW
  • 大野智史 「Misty Kilimanjaro」 2014 年
  • 「アート・スコープ2012-2014」-旅の後もしくは痕
  • リタ・ヘンゼン 原美術館でのインスタレーション 「天井のふち」2014 年 撮影:木奥惠三
  • ベネディクト・パーテンハイマー 「方向転換/杉本博司、2012 年東京」 2012 年
  • 今村遼佑 「風と凪(炭酸水、時計、窓の外)」 2013 年
  • 李禹煥「対話」(2012年)
  • 李禹煥「対話」(2012年)
  • 鈴木昭男/恩田晃 デュオ・パフォーマンス
  • 鈴木昭男
  • 鈴木昭男
  • 鈴木昭男
  • 恩田晃
  • 恩田晃
  • 恩田晃
  • 鈴木昭男/恩田晃 デュオ・パフォーマンス
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