全国5都市を巡回、工芸と遊ぶ「大日本市博覧会」の目的とは?

2016.01.31

1716年に創業した中川政七商店が創業300周年を記念し、日本各地を巡回する「大日本市博覧会」が、東京ミッドタウンにて開催された「東京博覧会」よりスタートした。

この試みについて中川政七商店 代表取締役社長の中川淳氏は「普段から言っている『日本の工芸を元気にする』ということをより多くの人に知っていただく機会に。また、各産地で地元の工芸をよそものが行ってこれだけ素晴らしいとお伝えする場になれば」とコメント。全国5地域で「買える」「学べる」「体験できる」空間を期間限定でつくり、その土地のものづくりの魅力を再発見することで開催地域の賑わいの創出を狙っている。

会場では、今回のコンセプトの一つである「温故知新」を表すものとして、同社のロゴをモチーフに、一刀彫に螺鈿細工の鞍など伝統的な技術を使って作られた「旧」の鹿と、相対するものとして旧の鹿を3Dスキャンしたものをベースにして作られた芸術家の名和晃平氏による「新」の鹿を展示。

また、300周年にあたり、社史に代わるものとして作られた金屏風「工芸クロニクル」は必見だ。いわゆる資料型の社史を作っても読まれない、そして明治期に資料を一部焼失しておりそれほど分厚くはならないということから、工芸全体の歴史にフォーカス。石器時代から8つの時代を巡って、それぞれの時代の象徴的なものと象徴的な場所、そしてそのビジネスモデルで読み取れるものをイラスト入りの金屏風に仕立た。最後の時代には未来の産業観光モデルが加えられているが、産地と流通業者、使い手がより近接していくような形になるのではないかという予想が描かれており、これは実際に中川政七商店が奈良でいま実現しようとしていることだという。「工芸クロニクル」の監修には松岡正剛氏が所長を務める編集工学研究所、イラストは善養寺ススム氏が担当している。これらは今後の会場でも展示される。

会場内では300周年記念商品も販売。2月17日より全国の中川政七商店で数量限定で販売される「日本工芸版モノポリー ZIPANGU」も先行で販売するなど、伝統工芸をベースにしながらも海外生まれのゲームと融合するという新しいアプローチも見せている。

このほか、各会場では日替わりでトークイベントやワークショップも実施。東京でのトークイベントでは1月15日には元サッカー日本代表の中田英寿氏、1月16日はクリエイティブディレクターの水野学氏がゲストに登壇した。

今後、「岩手博覧会」(5月3日~5日)、「長崎博覧会」(9月22日~25日)、「新潟博覧会」(10月6日~9日)、「奈良博覧会」(11月1日~6日)と巡回する予定となっている。
北本祐子
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  • 「日本工芸版モノポリー ZIPANGU」(5000個限定) 5000円
  • 300周年限定「六角形 徳利・猪口」(50セット限定) 50000円
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  • 300周年のタイミングでデビューした「花園樹斎」は、プラントハンター西畠清順氏が見つけ出してきた植物と中川政七商店がプロデュースする工芸で日本の園芸文化の楽しさを再構築するブランド。
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