【INTERVIEW】origami・マックス副社長--ショッピングのインフラとなるvol.1/2

2013.05.31

4月23日、ソーシャルコマースiOSアプリ「オリガミ(origami)」がリリースされた。ユーザーはツイッターのように好みのブランドやショップ、人をフォロー。ブランドからはアイテム情報が流され、フォローした人がシェアやライクしたアイテムもフィードされる。流れてくる商品はすべて購入可能。クレジットカード決済により簡単に2タップで購入できる。

公開から1ヶ月が経ち、現在出店者数は250件ほど。現在200から300店が登録申請中だという。origamiでソフト面=ブランドラインアップを主に担っているのはビジネス開発担当副社長、マクシミリアン・マッキー氏(Maximilian Mackee)だ。彼は日英で10年間弁護士として活動。その後フランスのビジネススクール「インシアド(INSEAD)」を経て、昨年10月origamiに参加したという。

――ブランドにとってorigamiはどういうアプリなのでしょうか?

origamiはお客さんを理解するツールだと考えてもらいたい。今までブランド側はお客さんがどういう人達か直接的に分かる方法が無かったと思う。あるセレクトショップに卸し、そのお店の客層で大体こういう人達が自分達のブランドを好んでくれている、といった感覚はあったと思うけど、具体的なデータは無いし、お客さんのトレンドも常に変わっていく。その変遷は分からない。

origamiでは管理ツールでどんな人が購入しているか、年齢、地域、好きなブランドなど属性を見ることができる。テイストの変化などもリアルタイムで知れるということ。

更に面白いのは、商品の購入までは至っていないが、お店に来た人やお店で写真を撮った人など潜在的に顧客となり得る人達(ポテンシャルカスタマー)のデータも分かる点。アイテムにライクやシェアをしてくれた人達も把握できる。そして出店者はユーザー達にマーケティングを仕掛けることが可能だ。

――具体的にはどんなマーケティングを?

まだ検討段階だが、例えば原宿にいて恋人にプレゼントを買わなきゃいけないユーザーがいるとする。そのユーザーが恋人とorigamiでつながっていれば、恋人が好みのアイテムを1タップで周辺のショップから集められるようにしたい。これはユーザ-にとってはリコメンデーションのように見えるが、ブランドから見たらターゲットマーケティングだ。

また、お店の前を通り掛かる人の年齢や好みに応じてアイテムをプッシュ通信するなどを考えている。やり過ぎるとユーザーにとってストレスがたまるけど、当に欲しいものがプッシュされて来たらユーザーは嬉しいはず。ロケーションやプレゼント需要に関係したものがやりやすい。

――O2Oを考えていらっしゃるんですね。

今までのアプリとかECなどデジタルの発展ってファッションとかアートなどクリエーティブなものの良さを表現できなかったと思う。ファッションは実店舗がとても重要だったけど、オンラインで買われることでお店が廃れて行ってしまうことを皆懸念している。

でもorigamiはブランドが上手く使ってくれれば実店舗を生かすツールになる。集客も、ECも、マーケティングもできて、新しいユーザーに知ってもらえて、買ってもらえる。新しいインフラみたいなもの。

――ここ数年内装が簡素なショップが増えています。

現代は凄くカッコいい空間を造るだけでは物足りない世界になったと思う。僕はカッコいいショップ内装であればそれで十分なんだけど、今の20代にはその良さが伝わらないようだ。お店の良さを理解させるための“何か”がなければいけないんだと思う。

今は“何か”として飲食を併設するお店が増えている。これは良いことだと思うけど、更にデジタルを使って面白いことをやりたい。デジタル上で、ブランドがポテンシャルカスタマーとコネクトして、彼らに来店してもらえれば顧客となる可能性がある。空間をエンジョイしてもらって、カッコいいディスプレイを見てもらって“リアルショッピングはECより面白い”と感じさせなければいけない。そのために機能やブランドへのフィードバックを常にアップグレードしていく。

vol.2に続く。
編集部
  • マクシミリアン・マッキー氏
  • origamiログイン画面
  • ライク・シェアされたアイテムや新商品などが流れてくる
  • 1タップで購入可能
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