写真家ユージーン・スミスの録音から蘇る伝説のセッション! 映画「ジャズ・ロフト」が10月15日より全国順次公開へ

開催日:2021.10.15
2021.08.09
カメラマンであるユージーン・スミスの録音テープや膨大な写真を元に気鋭ジャズ・ミュージシャンたちによるセッションを収録したドキュメンタリー映画「ジャズ・ロフト」が10月15日よりBunkamura ル・シネマほかにて全国順次公開される。

Self-portrait, W. Eugene Smith, (c) 1959 The Heirs of W. Eugene Smith.
ユージーン・スミスは、戦場カメラマンとして活動後、当時絶大な影響力を誇った雑誌ライフ」などで作品を数多く発表、70年代には水俣病患者を捉えた写真集によって世界に衝撃を与えた。彼が1950年代半ばから住んでいたマンハッタンのロフトには、連日連夜ジャズ・ミュージシャンが出入りし、セッションを繰り広げていた。「ライフ」編集部との軋轢や家族の不和を抱え、逃げるようにこの地へ移り住んだスミスは、ただ純粋に音楽を楽しむためだけに集まった彼らの自由奔放な演奏をつぶさに録音し、シャッターを切ることに没頭する。作は、そのむせ返るような熱気を余すところなく伝えている。

Photo by W. Eugene Smith, 1959 (c) The Heirs of W. Eugene Smith.
ロフトに集まるのは、既に絶頂期を迎えていたセロニアス・モンクや作曲家・ピアニストとして名を馳せる前のカーラ・ブレイ、さらにはズート・シムズ、ホール・オーバートン、ロニー・フリーといったミュージシャンたち。彼らの一挙一投足を逃すまいと部屋中に録音用の配線を張り巡らせ、何千枚もの写真を撮るスミス。このユニークなコラボは8年間にわたったという。単なる記録の域を超えて浮き彫りとなるのはジャズ・ミュージシャンたちの圧倒的な存在感、刹那的な生き様、そして彼らとの交流を通して、人生の岐路に立たされていたひとりの写真家が抱く新たな決意である。

のちにタウンホールでの名演として結実するモンクとオーバートンのリハーサルや打ち合わせ風景など、今まで公になることのなかった貴重なやりとりは見所のひとつ。スミスの記録物から伝わるのは、まさに今その場で起こる奇跡に立ち会っているかのような臨場感である。是非、劇場で確かめてほしい。

【映画情報】
「ジャズ・ロフト」
10月15日より、Bunkamura ル・シネマほかにて全国順次公開

出演:サム・スティーブンソン、カーラ・ブレイ、スティーヴ・ライヒ、ビル・クロウ、デイヴィッド・アムラム、ジェイソン・ モラン、ビル・ピアース (以下、写真/声のみ)セロニアス・モンク、ズート・シムズ、ホール・オーバートン

プロデューサー:カルヴィン・スキャッグス、サム・スティーブンソン
編集:ジョナサン・J・ジョンソン
撮影:トム・ハ ーウィッツ
録音:ピーター・ミラー
脚本・プロデューサー・監督:サラ・フィシュコ

原題:The Jazz Loft According to W. Eugene Smith
2015 年/87 分/イギリス/英語/B&W、カラー/ヴィスタサイズ/5.1ch ©2015 The Heirs of W. Eugene Smith
配給:マーメイドフィルム/コピアポア・フィルム
宣伝:VALERIA
公式HP:https://jazzloft-movie.jp
公式 Twitter:@jazzloft_jp
編集部
  • Self-portrait, W. Eugene Smith, (c) 1959 The Heirs of W. Eugene Smith.
  • Photo by W. Eugene Smith, 1959 (c) The Heirs of W. Eugene Smith.
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