横尾忠則が魅了された153点の『全Y字路』集【NADiffオススメBOOK】

2015.10.22

各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフNADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・清澄白河の支店、ナディッフ コンテンポラリィ(東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内)です。

■『全Y字路』横尾 忠則

1960年初頭よりグラフィックデザイナーとして活躍し、三島由紀夫、寺山修司、大島渚はじめ多くの同時代に生きた表現者と交流を持ち、影響を与えた横尾忠則。1972年のニューヨーク近代美術館での個展ほか国内外で高い評価を得るなか、1980年、ピカソの作品を目の当たりにした衝撃で「画家宣言」し、その後デザインから絵画作品へと制作軸を移行していく。

2000年以降のライフワークとなる代表作絵画「Y字路」シリーズに焦点を当てた書。ある夜、横尾が幼い頃によく通った郷里の三叉路鋭角部分あった模型店の跡地を訪ねたところ、そこは個人的な記憶に関与しないただの普遍的なY字路になっていた。「その時、私意識から切り離された風景こそ、絵の対象になるべきだと思った。」とモチーフであるY字路との出会いを語っている。

収められた絵画作品は、制作順に全153点。加えて制作過程を明らかにする写真やスケッチまでもが納められた贅沢な一冊。時に幻想的に、時におどろおどろしくエロスさえも感じさせるY字形の三叉路から無限に生み出される物語の数々。そのバリエーションの多さには圧倒され、絵画の豊饒な可能性を感じずにはいられない。

横尾忠則は、ナディッフ コンテンポラリィが所在する東京都現代美術館で2002年に行われた個展「森羅万象」をはじめ、常設コレクションでも度々取り上げられる日本の現代美術史を語る上で外す事の出来ない重要な作家の1人。

次回、11月7日から同館で開催される展覧会「TOKYOアートミーティングVI”TOKYO”-見えない都市を見せる」でも絵画作品が出品される予定。また、ナディッフ コンテンポラリィでは、メーカーのコラボレーションによって生み出された、横尾の世界観溢れるアパレルや雑貨を多数取り扱っている。

書籍情報】
『全Y字路』
著者:横尾 忠則
出版社:岩波書店
言語: 日本語
176ページ/A4版変形
発刊:2015年8月7日
価格:4,600円

【展覧会情報】
「TOKYOアートミーティングVI”TOKYO”-見えない都市を見せる」
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1階 3階
住所:東京都江東区三好4-1-1
会期:2015年11月7日~2016年2月14日
時間:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(11月23日、2016年1月11日は開館)、11月24日、12月28日~2016年1月1日、1月12日
料金:一般 1,200円
  :大学生・専門学校生・65歳以上 900円
  :中高生 700円
  :小学生以下無料
NADiff
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