“ニューメディア”に特化した知育が基盤。伊勢丹が進める子どもの「学校プロジェクト」

2014.10.02

伊勢丹新宿店は、15年3月の館6階ベビー子供フロア全面リモデルにあわせ、未就学児童(3から6才)を対象とした「学校プロジェクト」を始動させる。

来春のグランドオープンに先駆け、10月1日にエスカレーター周りの「パーク」と呼ばれるゾーンが同館6階にも誕生。ここに“遊び”を通じて子どもの想像力をを磨く“体験ゾーン”として、50平方メートルほどの広さをもつワークショップが設置された。第1回は芸術建築ファッションなどのアートディレクションやデザインを手掛ける橋詰宗氏を講師に招き、『あべこべな本を作ろう』をテーマにしたキッズデザインワークショップを開催。テーマは2、3週間ごとに刷新され、その都度外部より講師を招く形式をとる。3月にはガラス張りの本格的な教室スペースとなり、料理やダンス、運動、映像など様々な分野の体験ができるようになるという。

「現代では子どもに対して、グローバルな世界で活躍できる人になってほしいという想いを強く持つ親が増えている。その現状を捉え、『パーク』は文部科学省が掲げる“健康・人間関係・環境・言葉・表現”という5つの幼稚園教育要領を身につけて世界に羽ばたく子どもたちを育成する、“きっかけの場”にしていきたいと考えている」と、フロア担当者。

そのきっかけからもっと深く学びたいという思いに応える形用意されるのが、伊勢丹会館に来年3月にオープン予定の「学校プロジェクト」だ。パークでの30分ほどのワークショップを体験した後のステップアップとして、“時代に合ったスキルを身に付ける教育の場”と位置付ける。日本には“ニューメディア”に特化した教育を行う場がないとのことから、webやデジタルに基軸を置き、エンターテイメント性やコミュニケーション能力、情報リテラシーを磨けるよう、実際にプログラミングを学ばせたり、フェイスブックやツイッターといったSNSの仕組みや役割を説いたりと今までになかった発想のもとで知育を行っていく。授業は伊勢丹がITグループと組み、様々な体験ができるようなものにしていくという。

このプロジェクトには、ミュージアムエデュケーター・東京大学GCL育成プログラム特任助教の会田大也氏が“教頭先生”という役割で参加。会田氏は山口情報芸術センター(YCAM)にて、開館当初より教育普及担当としてオリジナルワークショップの開発や、教育普及プログラムのプロデュースを行うなど教育部門において、めざましい活躍をしている。

学校プロジェクトは、3ヶ月全10回のコース(6万円)を用意。この時間に合わせた親向けのコースも設ける予定で、子育てに付随した親の教育を授業として取り入れるという。
畑 麻衣子
  • 来春には、新宿の伊勢丹会館を拠点にメディアに特化した学校プロジェェクトがスタートする
  • 10月14日までは『あべこべな本を作ろう』をテーマにしたワークショップを開催している
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