ジョジョ荒木飛呂彦らも参加、世界的漫画家たちが奇想天外な“ルーヴル美術館”を表現。その全貌と見どころを公開

2016.07.24

ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」が9月25日まで、六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーにて開催されている。

同展では、漫画家たちにルーヴル美術館をテーマに自由に作品を書いてもらうという、05年よりフランスのルーヴル美術館が進めている漫画プロジェクト「ルーヴル美術館BDプロジェクト」の全貌を日本で初公開。プロジェクトには、フランスのニコラ・ド・クレシーやマルク=アントワーヌ・マチュー、ベルギーのクリスティアン・デュリユーの他、『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦や、『孤独のグルメ』の谷口ジロー、『鉄コン筋クリート』の松本大洋ら日の漫画家も参加した。

同展は全3章で構成される。第1章の入り口には、ルーヴル美術館の代表的作品「サモトラケのニケ」の原寸大レプリカが展示され、漫画の世界から飛び立とうとしているようなニケのダイナミックなインスタレーションが来場者を漫画の世界へと誘う。そのまま足を進めると、総勢16名の漫画化が“ルーヴル美術館”をテーマにそれぞれ制作した個性豊かな作品と出会うことができる。

エティエンヌ・ダヴォドーは、ルーヴル美術館の警備員が婚約者の家族の先祖の描いた凡作「寄り目の」をルーヴルに収蔵するという難題を押し付けられてしまうちょっとおかしなストーリーで展開される「寄り目の犬」を制作。クリスティアン・デュリューは、ルーヴルでの晩餐中に退屈した老政治家が突然現れた女性に連れられ、夜のルーヴル美術館での逢瀬を愉しむロマンティックな作品「魔法」を出展した。

続く第2章では、ルーヴル美術館の知られざる裏の顔を紹介。マルク=アントワーヌ・マチューによる「レヴォリュ美術館の地下」は、美術館の実態を調査する専門家の話。調査を進めるが行けども行けどもその全貌がはっきりしない、迷宮のような奇妙なルーヴルがつづられる。エンキ・ビラルは、ルーヴル美術館の名作にはそれぞれ亡霊が宿っているというコンセプトで、各作品に憑りついている亡霊を物語る「ルーヴルの亡霊たち」という作品を発表。青白い幻想的な展示に亡霊が漂う雰囲気を表現し、少し背筋が寒くなるような空間を演出した。

松本大洋は、ルーヴル美術館に人知れず代々住みつくたちが主人公の冒険物語「ルーヴルの猫」を展示。展示装飾として、松本大洋の描く数々の個性豊かな登場人物や猫たちをクローズアップした大型パネルも配置される。た、荒木飛呂彦はルーヴル美術館に所蔵される“最も黒い絵”を巡るサスペンスフルな物語「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を出展。ミケランジェロの有名な彫刻「瀕死の奴隷」と荒木特有の露伴のポージングを効果的に対比させる展示で、ルーヴル美術館の名作と荒木作品の視覚的融合を試みた。また、ベルナール・イスレールによる3面モニターを使ったデジタル作品「ルーヴルの空の上」も展示。モニターの中で、フランス革命の最中に産声をあげたルーヴル美術館を舞台に繰り広げられる、政治と芸術のめくるめくドラマを描いた物語が展開される。

最終の第3章では、過去・未来といった時や場所を越えて普遍的な存在感を放ち続けるルーヴル美術館を紹介。入口ではルーヴル美術館で最も有名な「モナ・リザ」が来場者を迎え、少し立ち止まってみると、このモナ・リザがBD(バンド・デシネ)作家たちの描く個性豊かな「モナ・リザ」に変化していく。足を進めると、坂本眞一による「モナ・リザ」の数奇な運命を辿る物語「王妃アントワネット、モナリザに逢う」が登場。レオナルド・ダヴィンチによって生み出され、その後、ヴェルサイユ宮殿でマリー・アントワネットに出会い、現在に至るまでの壮大なドラマを描かれた。寺田克也は、ルーヴル美術館がパリから突然消えてしまう物語「ルーヴル消失」を発表。収蔵されていた数々の美術品は、自由な形に姿を変え、世界中に飛び散り、自由を謳歌する。

その他、谷口ジローによる「千年の翼、百年の夢」、フィリップ・デュピュイによる「坑内掘りの芸術」、ダヴィッド・プリュドムによる「ルーヴル横断」、エリック・リベルジュによる「奇数時間に」、ニコラ・ド・クレシーによる「氷河期」、ヤマザキマリによる「美術館のパルミラ」、五十嵐大介による「ニケのうた」といった作品が展示される。

イベント情報】
ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」
会場:森アーツセンターギャラリー
住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階
会期:7月22日から年9月25日
時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)
休館日:会期中無休
HEW
  • 第2章_荒木飛呂彦
  • ホワイエ
  • 第1章_サモトラケのニケ
  • 第1章_サモトラケのニケ
  • 第2章_エンキビラル
  • 第2章_マルク=アントワーヌ・マチュー
  • ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9 番目の芸術~」が開催
  • ヤマザキマリ/『Palmyre au Musee 美術館のパルミラ』 
  • マルク=アントワーヌ・マチュー/『レヴォリュ美術館の地下-ある専門家の日記より-』
  • エンキ・ビラル/『ルーヴルの亡霊たち』
  • 第2章_作家たちのアトリエ
  • 二コラ・ド・クレシー/『氷河期』
  • 五十嵐大介/『ニケのうた』
  • 寺田克也/『ルーヴル消失』
  • 坂本眞一/『王妃アントワネット、モナリザに逢う』
  • 松本大洋/『ルーヴルの猫』
  • 荒木飛呂彦/『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』
  • 谷口ジロー
  • チラシ
  • 上段左から:ダヴィッド・プリュドム、坂本眞一、ベルナール・イスレール、二コラ・ド・クレシー、五十嵐大介、エリック・リベルジュ、エティンヌ・ダヴォドー。下段左から:クリスティアン・デュリユー、松本大洋、神谷浩史、菜々緒、ファブリス・ドゥアール、谷口ジロー、フィリップ・デュピュイ。
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