家でワインを飲む機会が増えてきた昨今。自然派志向の高まりと相まって、ますます注目を集めているのがナチュラル(自然派)ワインです。
そこで今回は、伊勢丹新宿店本館地下2階=ビューティアポセカリーのフロア一角にあるワインショップ「フェスティヴァン」に潜入。ナチュラル(自然派)ワインを、百貨店では先がけて紹介してきた店長の岡田悦和さんに「ナチュラル(自然派)ワインって何? 」という基本のキから、オンライン飲み会のネタになりそうなワインまで教えてもらいました。
ナチュラル(自然派)ワインと通常のワインの違いとは?
「ナチュラル(自然派)ワインは自生酵母による自然発酵が特徴です。酸化防止剤は基本的に使用しませんが、ごく少量なら使うことができます」(岡田悦和さん、以下同)
使う酵母と酸化防止剤がポイントなのですね。
「ナチュラル(自然派)ワインのほとんどは小さな醸造所で造られています。土作りから栽培、収穫、醸造まで人の手で行っているんです」
ナチュラル(自然派)ワインはなるべく自然に近い形で作られたワインのことなんですね。味の特徴は?
「多種多様な自生酵母による複雑味と、ぶどうそのものが感じられる飲み心地が魅力です。また、天候によってぶどうの出来も左右されるので、味わいが毎年変わるのもおもしろいところ。ビンテージでいうと、フランス製に限ってですが2018年産がおすすめです。果実味が豊かで、どなたが飲んでもおいしいと思うのではないでしょうか」
ナチュラル(自然派)ワインと他のワインを見分ける方法とは?
「その見分け方が難しいんです。たとえばこのワインにはデメターというマークが付いています。ビオディナミ農法(天体の運行に基づく占星術を取り入れた農法)を実践している団体の認証をパスしたワインということです。こういう認証マークを目印にすればいいのですが、あえて認証をとらない生産者もいるので、なかなか見分けはつかないですね」
フェスティヴァンはナチュラル(自然派)ワイン専門だから迷うことはないですね! 他のお店でナチュラルワインを買いたいときは、店員さんに教えてもらいます。でも、あえて認証をとらないこともあるのは意外でした。
「自然派の造り手たちは、みな極めて個性的なんです。認証をとったところで何も生まれないと考えたり、人とつるんで手足を縛られることを嫌う傾向があったり(笑)」
そんな生産者の横顔を知れたり、ちょっと人に“語れる”ワインをもっと知りたいです! 岡田さんのおすすめをこの機会にぜひ教えてください。
岡田悦和さんセレクト!
ツウなたのしみ方ができるナチュラル(自然派)ワイン5選
■玄人好みの“にごり”スパークリング
「澱を引いていないにごりタイプ。澱には旨みや香りの成分が多く残っているため、コクと複雑味を味わえます。最近はにごりタイプのワインを目当てに来店されるお客さまが増えました。微発泡で軽い飲み口が今の時季にぴったりです」
■「見て! 」と自慢したくなる1本ならコレ
「こちらは果実味がぎゅっと凝縮された赤。飲みやすさとコスパを兼ね備えた、フェスティヴァンで今いちばん売れているワインです。『Open Now! (今すぐ開けて! )』というネーミングにかけて、抜栓したコルク側面に『Well Done(よくできました)』というメッセージがあり、造り手の遊び心が感じられます」
■味わいも、デザインも、ユニークそのもの
「あまりにも独特なため、グラン・クリュのA.O.C.に認められなかったワイン。その結果に怒った生産者が、審査員を『巨大組織に巣くう虫』と皮肉って表現したのがこのラベルです。そんな反骨精神とはうらはらに味わいはミネラル感にあふれ、カルバドスのニュアンスも。翌日、翌々日もおいしいワインです」
■料理のジャンルを問わない便利な白
「“コティディアーナ”とはイタリア語で“日常の”という意味で、その名のとおりデイリーワインにぴったりの爽やかさ。これからの季節におすすめのペアリングは、ハーブやオリーブオイルをふんだんに使ったサラダ。キンキンに冷やしてどうぞ」
■夏の赤は少し冷やして飲むのが正解
「ナチュラル(自然派)ワインの注目産地、スペインから。こちらはロゼに近い色合いの、軽い赤。少し冷やして飲むと、熟したフルーツのような果実味や酸味が口中に広がります。化学肥料も亜流塩酸(酸化防止剤)も不使用、品種も1品種だけ。畑と品種の個性がシンプルに表現されています」
知識もルールも無用! ココロもHAPPY! カラダもHAPPY! 気持ちよく飲めて、おいしければALL HAPPY! そんなナチュラル(自然派)ワインの魅力、少しでも伝わったらうれしいです。みなさんのおうちワインのたのしみが、ますます広がりますように。
岡田悦和(おかだ・よしかず)
学生時代にワインバーでバイトをしてワインに目覚める。卒業後はワインと違う仕事をしていたものの、ワイン好きが高じて渡仏。その後、ワインショップやビストロで働き、〈フェスティヴァン〉の主催者だった故・勝山晋作氏に誘われ、伊勢丹新宿店本館地下2階=ビューティアポセカリー併設〈フェスティヴァン〉を担当する。
※20歳未満の方の飲酒は法律により禁じられています。
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