イサム・ノグチと長谷川三郎、2人の交流に迫る展覧会が横浜美術館で開催

開催日:2019.01.12-03.24
2018.12.21
彫刻家のイサム・ノグチと、画家の長谷川三郎、2人の芸術家の交友に焦点を当てた展覧会「イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの」が、2019年1月12日から3月24日まで横浜美術館で開催される。

イサム・ノグチ《書》 1957年、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo: Kevin Noble

日米の血を受け継ぎ、洋の東西を越えた世界的視野から芸術を再び人々の生活の中に根付かせようとした彫刻家イサム・ノグチと、画家として戦前日本の抽象美術をリードする一方、理論家として西洋近代美術の潮流と古い日の芸術文化に通じ、両者の共通項を抽象芸術に見出した長谷川三郎。1950年5月、連合国軍による占領末期の東京でイサム・ノグチと長谷川三郎は出会う。「古い東洋と新しい西洋」の関係に関心を抱いていた2人はすぐさま意気投合し、日本美の本質を見極めるべく、京都大阪奈良、伊勢をした。

同展は、この2人の芸術家の交友に焦点を当て、彼らが何を見、何を考え、何を目指したのかを、ふたりが共に歩んだ1950年代を中心に、ノグチ作品約50点、長谷川作品約70点を通して明らかにしようとするものである。長谷川との旅のあとに制作されたノグチの陶や金属、石の作品、長谷川の墨や拓刷による絵画から、戦後の日本美術が進むべき道を切り拓こうとした彼らのヴィジョンに迫る。

イサム・ノグチ《顔皿》 1952年、イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York/ARS-JASPAR Photo: Kevin Noble

日本の国公立美術館が所蔵する長谷川の墨、木版、拓刷による代表作が一堂に揃う他、ノグチの石の代表作で、日本で制作され、アメリカで発表された後、長らく門外不出であった《庭の要素》(1958年)や、長谷川の知られざるフォトグラムや渡米後に制作された墨画など、日本初公開作品を多数紹介。絵画、彫刻、版画写真、墨画など、約120点におよぶ作品を通して、ノグチと長谷川、2人の交友と創作の軌跡を辿る。なお、《庭の要素》(1958年)は、同展にさきがけて2018年11月後半より横浜美術館グランドギャラリーに展示されている。

長谷川三郎《無題》 1954年、ティア&マーク・ワッツ・コレクション
Photo: Kevin Noble

また、ニューヨークのイサム・ノグチ財団・庭園美術館と横浜美術館による共同企画展である同展。出品作の大部分は横浜開催後、ニューヨークのノグチ美術館とサンフランシスコのアジア美術館に巡回されるが、横浜美術館ではこれまで関東地方で紹介される機会の少なかった長谷川三郎の、日本における抽象美術のパイオニアとしての功績を代表する《蝶の軌跡》(1937年)を始めとする抽象作品や写真などを独自に加えて展示。
また、近年公開されたノグチの石膏モデル広島の死者のためのメモリアル》(1951-52年)、同館所蔵のノグチ作品もあわせて紹介する。

会期中は、「学芸員によるギャラリートーク」や、「日本美とモダンの接点を求めて・・・展覧会鑑賞と作品制作を通じてノグチと長谷川の神髄に迫る」と題して長谷川が用いた拓本技法による作品制作を体験できるワークショップ、横浜美術館ボランティアが展覧会の見どころをコンパクトに解説する「展覧会・ココがみどころ!」の他、オープニング・リレートークや記念講演会など関連イベントも多数開催予定。また、同展に合わせて2つのカタログが制作される。詳しくは、展覧会ウェブサイトにて。

【展覧会情報】
イサム・ノグチと長谷川三郎―変わるものと変わらざるもの
会期:2019年1月12日〜3月24日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
時間:10:00〜18:00(3月2日は20:30まで) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:木曜日(3月21日は開館)、3月22日
料金:一般1,500円(前売1,300円、団体1,400円)、大学・高校生900円(前売700円、団体800円)、中学生600円(前売400円、団体500円)、小学生以下無料、65歳以上1,400円(要証明書、美術館券売所でのみ対応)
編集部
  • イサム・ノグチ《書》 1957年、鋳鉄、木、縄、金属、178.8×43.5×40.6cm、 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
  • イサム・ノグチ《顔皿》 1952年、陶、30.8×27.3×2.9cm、 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
  • イサム・ノグチ《捜す者、捜し出したり》 1969年、玄武岩、94.0×100.3×49.8cm、 イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)蔵
  • (ノグチポートレート)イサム・ノグチ、1950年 撮影:三木淳 写真提供:イサム・ノグチ財団・庭園美術館(ニューヨーク)
  • 長谷川三郎《無題》 1954年、紙、リトグラフ、33.5×51.2cm、 ティア&マーク・ワッツ・コレクション
  • 長谷川三郎《自然》 1953年、紙本墨、拓刷、二曲屏風一隻、各135.0×66.5cm、 京都国立近代美術館蔵
  • 長谷川三郎《無題》 1954年、紙本墨、138.8×70.0cm、 学校法人甲南学園 長谷川三郎記念ギャラリー蔵
  • (長谷川三郎ポートレート)長谷川三郎、1956年頃 写真提供:学校法人甲南学園 長谷川三郎記念ギャラリー
ページトップへ