白磁で世界的に有名な陶芸家・黒田泰蔵の個展がヴァンジ彫刻庭園美術館で開催

開催日:2019.01.12-04.09
2018.11.27
国内外の主要な美術館コレクションされ、世界的に活躍する陶芸家・黒田泰蔵の美術館では初となる個展「黒田泰蔵 白磁」が、2019年1月12日から4月9日まで、静岡ヴァンジ彫刻庭園美術館にて開催される。

《白磁 梅瓶》2018年
© Taizo Kuroda
Photo: Tadayuki Minamoto

空間に溶け込むように静謐でありながら、緊張感あふれる力強さをもつ陶芸家・黒田泰蔵の白磁。1966年、20歳の若さでパリに渡り、のちの人間国宝となる陶芸家の島岡達三と運命的な出会いを果たした黒田は、カナダで陶芸を始めた。日に帰国した後も、黒田はさまざまな技法で精力的に作陶に携わっていくが、45歳の時、「轆轤成形、うつわ、単色」という3つの条件を自身に定め、白磁のみの制作に傾注する。

本展は、アメリカ・オハイオのクリーブランド美術館やニューヨークブルックリン美術館、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館など、国内外の主要な美術館にその作品がコレクションされ世界的に知られる、黒田の美術館で初となる個展。轆轤に初めて触れてから約半世紀の後に辿り着いた白磁の現在を、黒田の代名詞といえる円筒を始め、梅瓶や入、台皿などさまざまな白磁の最新作で展観する。

磁土との対話の中、個を極限まで消していくことで純化された白磁がみせる抽象の世界。轆轤の回転が生み出す柔らかで張りのあるフォルム、釉薬を用いず、焼締めの後に磨かれた表面の艶やかな陰影、宙空へと薄く挽き上げられた口縁など、その美しさの特質には枚挙にいとまがない。

《白磁 花入》2018年
© Taizo Kuroda
Photo: Tadayuki Minamoto

会期中の2月下旬頃には、展覧会カタログが刊行。美術館の展示風景や出品作品の図版だけでなく、40年近く伊豆に窯を構え制作してきた作家の貴重なアトリエ風景が収録される。

また、毎週土曜日の14時15分からは、会場にて担当学芸員が展覧会概要と作品の解説を行うギャラリートークが開催。申込不要で、当日の観覧券を持って直接会場へ行けば参加できる。クレマチスの丘にあるケヤキの緑に囲まれた和食の店、日本料理テッセンの1階にある「うつわ茶房 KEYAKI」でも、「͏黒田泰蔵展」が同時開催。2019年1月12日から4月9日の会期中、ヴァンジ彫刻庭園美術館で展示される作品とは別の白磁作品が展示される。

静岡の地でうつわの可能性を追求し続けてきた黒田の、究極の白磁を堪能してみては。

【展覧会情報】
黒田泰蔵 白磁
会期:2019年1月12日〜4月9日
会場:ヴァンジ彫刻庭園美術館
住所:静岡県長泉町東野クレマチスの丘 347-1
時間:1月10:00〜16:30、2・3月10:00〜17:00、4月10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:1〜3月 大人1,000円(900円)、高・大学生500円(400円)、中学生以下無料
4月 大人1,200 円(1,100円)、高・大学生800円(700円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体割引
休館日:水曜日
編集部
  • 《白磁 梅瓶》2018年 © Taizo Kuroda/photo: Tadayuki Minamoto
  • 《白磁 花入》2018年 © Taizo Kuroda/photo: Tadayuki Minamoto
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