北欧発ゴミを出さないレストラン。ヘルシンキのNollaが監修した「ゼロ・ウェイスト・ビストロ」

2018.09.29

「ムダなゴミを出さないレストラン」というコンセプトを掲げたレストランがニューヨークに5月19日から22日の3日間限定でオープンした。フィンランド文化センターが中心となり、二人のフィンランド人デザイナー、ハリー・コスキネン(Harri Koskinen)とリンダ・ベルグロス(Linda Bergroth)がコンセプトのキュレーションを行ったプロジェクト。様々なフィンランドの企業が協力しあい、掲げられたコンセプトを見事に体現した。

プロジェクトでは、ノルディック地方初の「ゼロ・ウェイスト・レストラン」(ゴミを出さないレストラン)とされるノラ(Nolla)の料理が提供された。地元のオーガニック食材のほか、食物の生産から消費までの流れで軽視されそうな副産物もふんだんに使用された。クリエイティブな発想と、普段気にも留めないような地産の材料を用いて美味しいものを作りたいという強い欲望を持ちつつ、サスティナビリティにフォーカスすることでメニューの完成に辿り着いたそうだ。


「これからは、どのような生き方をし、どのような食事を摂り、どのような材料を用いるかを改めて考えていく時です」とフィンランド文化センターのディレクター、カリナ・グールド(Kaarina Gould)が語るように、「ゼロ・ウェイスト・ビストロ」は食事だけでなくその全てに意思が反映されている。

ビストロ内のテーブルウェアや家具は世界を代表するフィンランドのブランドイッタラ(iittala)とアルテック(artek)を起用。これはじっくり選ばれた良いデザインのものは長く愛用されるため、結果的にゴミを減らすことができるという考えに基づいている。建築素材にはリサイクルされたプラスチック、工業廃棄物を用いた素材を提供するデュラット社とリウォール社のものが使われた。また食事の際に出されるカップやパッケージングにもこだわり、コトカミルズ社、スラパック社のプラスチック不使用の環境に優しいものが用意された。全てフィンランドの企業でそろえる徹底ぶりで、本プロジェクトへの熱意が感じ取れる。



期間中はサステナビリティ、ゼロ・ウェイスト、サーキュラーエコノミーについてのトークやワークショップも開催され、ただ美味しい食事を楽しむだけでなく議論もできるスペースとしての機能も果たすことができたそうだ。


※本記事は (引用元: http://fciny.org/)に許可を得て、翻訳・執筆を行っております。
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