小山田圭吾、片山正通らによる「音のアーキテクチャ展」が六本木でスタート

2018.06.29
「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」が6月29日から10月14日、21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2で開催される。開幕に先駆けて6月28日にプレスプレビューが行われた。


ミュージシャン小山田圭吾Cornelius)が今回の展覧会のために書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、気鋭の作家たちがそれぞれの視点から解釈し、映像作品を制作したもの。映像作品とワンダーウォール(Wonderwall)の片山正通がデザインしたダイナミックな空間が一体となった会場で、音楽への新鮮な視点を発見できる展覧会になっている。

片山正通が会場構成を手がける展覧会はギャラリー1、ギャラリー2とその裏の各作家のブースの3つのスペースで構成されている。最初のギャラリー1では、入ってすぐの三面の壁に稲垣哲朗が撮影したCorneliusのスタジオライブが映し出されている。ギャラリー2がデジタル的作品であるのに対して、ギター、ドラム、キーボードなどの楽とレコーディングの風景を視覚的にわかりやすく伝えている。

次のギャラリー2は梅田宏明、大西景太、折笠良、辻川幸一郎(GLASSLOFT)×バスキュール×北千住デザイン、勅使河原一雅、水尻自子、UCNV、ユーフラテス(石川将也)+阿部 舜の8組の作家が時間を占有する空間。また、その裏は8組の作家がそれぞれの作品を紹介する8つのブースになっている。

大西景太は楽曲を構成するすべての音要素を個別のモーショングラフィックス要素に翻訳し、その全体を1つの場に再構成した。折笠良はエンドゲームスタディをテーマにした作品を発表。振り付けとダンス作品を制作する梅田宏明は筋繊維の構造というモチーフを動きのある光の映像などで描き出している。勅使河原一雅は楽曲を生命的に脈打つものと捉え、その断面の連続を描くことによって、音楽を聴く行為に潜む複雑さを表現した。

また、UCNVは正常な映像とその壊れたバージョンを上下に並べている。水尻自子は寿司、ティッシュ、風船など身近なものを数個並べ感覚のずれを表現。ユーフラテス(石川将也)+阿部 舜は模様を描いた二枚の透明フィルムを重ね、動かすことで視覚効果を創り出した。辻川幸一郎(GLASSLOFT)×バスキュール×北千住デザインは、ミュージックビデオの構造に聴く人を取り込んだ、音楽+映像+鑑賞者がひとつになった作品を紹介している。

小山田は「今回は中村勇吾さんに作詞をしてもらい、音楽のコラボレーションをできるなど、バンドみたいに楽しくできた」と挨拶。

また、21_21 DESIGN SIGHT館長の佐藤卓は「今回は中村勇吾さんに展覧会ディレクターをお願いしてみよう、というアプローチにしてみたが、想像以上。音楽を建築的に表現するという今までに無かった展覧会になった」。中村は「今回のテーマには音楽の構築性と、1つの楽曲を軸に環境としての建築を総合的にデザインするという2つの意味を込めた。一つひとつの作品に向き合うとともに空間全体を体感してもらえれば」と話した。
樋口真一
  • 小山田圭吾
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