十和田市現代美術館でスゥ・ドーホーが個展を開催、「スーツケース・ホーム」の最新作も発表

開催日:2018.06.02-10.14
2018.04.26
青森十和田市現代美術館が開館10周年記念企画展として、アジアを代表する世界的美術家であるスゥ・ドーホー(Do Ho Suh)の個展「スゥ・ドーホー:Passage/s パサージュ」を 6月2日から10月14日まで開催。
《Hub, 310 Union Wharf, 23 Wenlock Road, London, N1 7ST, UK》
Photo by Taegsu Jeon Courtesy the artist, Lehmann Maupin, New York, Hong Kong and Seoul and Victoria Miro,London/Venice(参考画像)

ロンドンニューヨークソウルを拠点とし、家や家の中のアイテムを象った彫刻と、没入感のあるインスタレーションを通して、異なる文化間を移動するときに感じられる気持ちを表現しつづけるスゥ・ドーホー。半透明の布を用いた彫刻のシリーズは、彼がそれまで住んだ空間の手触りと繊細な細部を再現するものであり、軽くて持ち運びができ、どんな場所にでも設置できることから、スゥ自身によって「スーツケース・ホーム」と呼ばれている。

展では、彼の代表的スタイルである、半透明の布を使った大型彫刻作品の新作3点が発表される他、ロンドン、ニューヨーク、ソウルという異なる文化間を行き来する作家の視点をとらえた映像作品「My Home/s」が日本で初公開となる。これらの作品は、いくつかの場所とその文化を経験するときに見えてくるものを通して、人間性やアイデンティティとは何かという、根本的な問いを投げかける。

《コーズ・アンド・エフェクト》2008年
Photo by Mami Iwasaki Courtesy the Artist and Lehmann Maupin Gallery, New York and Hong Kong

これまで、家、物理的な空間、移動、そして記憶といったテーマについて考え、ドローイング、映像、彫刻などさまざまな素材に取り組んできたスゥ。一方彼には、個人と集団の関係性を探るという、もう一つのテーマがあり、そのテーマに沿った作品の一つ、「コーズ・アンド・エフェクト」(2008)が十和田市現代美術館の常設展示となっている。この作品は、高さ9メートルの最も大きな展示室に、展示される巨大な作品。赤、オレンジそして透明のグラデーションが美しいこの作品は、数万体の樹脂製の人型彫刻が肩車をするように、天井からの華やかさを感じさせる一方で、つねに生と死は表裏一体の関係であり、長い時間の中で連綿と繰り返されていくという、輪廻転生的な考えを表現している。スゥの他の作品と共鳴しあい、新しいイメージを想起させる。

本展初日には、スゥ・ドーホー本人が展示作品について語るオープニングトークイベントも開催。また10月14日には、本展キュレーターの金澤韻による、展覧会に即した解説が聞けるキュレータートークなど、会期中に関連イベントが開催される予定。詳しくは、ホームページ(http://towadaartcenter.com/)にて随時確認できる。

【展覧会情報】
スゥ・ドーホー:Passage/s パサージュ
会期:6月2日〜10月14日
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
時間:9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日)ただし、8月6日、13日は開館
料金:企画展+常設展セット券1200円、企画展の個別料金 一般800円、高校生以下無料

【関連イベント】
オープニングトーク
日時:6月2日
会場:十和田市現代美術館 市民活動スペース
時間:10:00〜10:30
登壇者:本展覧会作家スゥ・ドーホー(通訳あり)
料金:無料 (要企画展チケット)

キュレータートーク
日時:10月14日
会場:十和田市現代美術館 市民活動スペース
時間:13:00〜14:00
登壇者:本展キュレーター金澤韻
料金:無料 (要企画展チケット)
編集部
  • 《Hub, 310 Union Wharf, 23 Wenlock Road, London, N1 7ST, UK》
  • 《Hub, Wielandstr. 18, 12159 Berlin, Germany》
  • 《Hub, 3rd Floor, Union Wharf, 23 Wenlock Road, London N1 7ST, UK》
  • 《My Home/s》2017 video
  • 《コーズ・アンド・エフェクト》2008年
  • スゥ・ドーホー(Do Ho Suh)
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