日本最大のブルーノ・ムナーリ回顧展が葉山で開催中! 日本初公開作品を含む約320点が並ぶ

開催日:2018.04.07-06.10
2018.04.11
神奈川県立近代美術館 葉山では、芸術からデザイン、そして児童教育に至るまでのブルーノ・ムナーリの果てしない独創的な活動を体験出来る展覧会「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」を4月7日から6月10日まで開催する。

《旅行のための彫刻》1965年、富山県美術館
© Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

ブルーノ・ムナーリは、画家、彫刻家、グラフィックデザイナー、インダストリアル・デザイナー、発明家、著述家、子どもといっしょに遊ぶ人といった、あらゆる肩書きを持つ稀代の表現者。

19歳の時に、当時のイタリアを席巻していた前衛美術運動の未来派に参画し大きな影響を受けた一方で、雑誌の編集や挿絵などの仕事を通じて、デザインへの関心と造詣も大いに深めていく。第二次世界大戦後のムナーリはそうした経験を活かし、折りたたんで持ち運び可能な彫刻「旅行のための彫刻」や、コピー機を使いながらもオリジナルの平面作品「オリジナルのゼログラフィーア」といったかつてない美術作品、そして極めてシンプルであると同時に用の美を備えた照明や家具などを多数発表し、国内外で高く評価された。

さらに、子ども向けの造形教育にも大いに興味を示し、遊具をはじめ、沢山のしかけが込められた絵本などを発表。考案した独創的な子ども向けのワークショップは、身の回りの慣れ親しんだ素材から創造力を飛躍させる創作活動として、今日でも全く色褪せることがない。

《穴のあるコンポジション》1950年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団
© Bruno Munari. All rights reserved to Maurizio Corraini srl. Courtesy by Alberto Munari

同展は、1985年に渋谷のこどもの城における回顧展の際に実演されたワークショップを「ムナーリを読み解く鍵」とし、その全生涯にわたる作品約320点を展示する日最大の回顧展。約150点が日本初公開となる作品で、未来派に関わっていた時代の作品や晩年の絵本原画など、これまで日本であまり知られてこなかったムナーリを知る絶好の機会となっている。

会期中は、ムナーリの絵本や遊具を手に取ることが出来る場を設ける。毎週土曜日の10時から12時、14時から16時は、ムナーリがデザインした子ども向けの遊具に触れることが出来る「毎週土曜日はムナーリの遊具で遊ぼう」を開催。なお、対象は3歳以上、小学生以下は保護者の同伴が必要となる。

さらに、5月5日の14時から15時半には、日本ブルーノ・ムナーリ協会代表の岩崎清による講演会が行われる。この他、担当学芸員によるギャラリートークや、葉山町との共催による近代美術館入門講座「“役に立たない”ブルーノ・ムナーリ講座」などを開催。すべて申し込み不要、参加無料、各イベントの詳細は公式サイト(http://www.moma.pref.kanagawa.jp)にて。

【展覧会情報】
ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ BRUNO MUNARI Conservare lo spirito dell’infanzia
会期:4月7日〜6月10日
会場:神奈川県立近代美術館 葉山
住所:神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1
時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
料金:一般1,200円 20歳未満・学生1,050円 65歳以上600円 高校生100円
休館日:月曜日(4月30日は開館)
編集部
  • 《穴のあるコンポジション》1950年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団
  • 《無題》1930年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団
  • 『乳の衣服に捧げる詩』(文:フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティ 挿画:ブルーノ・ムナーリ)1937年、宇都宮美術館
  • 《時間X》1963年、ジャックリーン・ヴォドツ・エ・ブルーノ・ダネーゼ財団
  • 《読めない本》試作 1955年、パルマ大学CSAC
  • 《『木をかこう』のための表紙案》1977年、パルマ大学CSAC
  • 《役に立たない機械》1934年/1983年、特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会
  • 《旅行のための彫刻》1965年、富山県美術館
  • 《みたての石》1985年、特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会
  • 《祖先の重み》1964年/1970年、特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会
  • 《チューブ型照明器具:フォークランド》1964年/1999年、特定非営利活動法人市民の芸術活動推進委員会
  • 《触覚のボード》1994年、カーサペルラルテ=パオロ・ミノーリ財団
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