百貨店の11月売上高は全社が対前年比プラス。気温の低下から冬物衣料が牽引役に

2013.12.03
大手百貨店5社が2日に発表した11月の売上高速報値は、全社が前年同月を上回る結果となった。気温が下がったことから、コートやセーターなどの冬物衣料が好調に推移。2ヵ月ぶりに5社揃ってのプラスとなった。

三越伊勢丹ホールディングスは伊勢丹新宿店が前年同月比14.6%増、三越銀座店が11.9%増。4ヵ月連続で2ケタの高い伸びを記録し、両店共に前年実績を10ヵ月連続で上回った。三越日本橋本店は2.0%増となり、首都圏の三越伊勢丹計では前年比6.8%増を記録。こちらも10ヵ月連続で前年実績を上回る結果となった。商品別ではウールやダウン素材のコート類やセーター類、ショートブーツ、タイツ、手袋などの冬物アイテムが好調。また、伊勢丹では10月末から導入した新しいタータンチェック柄のショッピングバッグと、同柄を用いたオリジナル企画品が注目を集めた。

エイチ・ツー・オーリテイリングは阪急本店が0.6%の増。そのうち阪急うめだ本店は0.1%、阪急メンズ大阪は3.9%の増だった。12ヵ月連続で続いた開店効果は一巡したものの、プラス実績を確保。支店を含めた全社計では1.7%の増だった。

前月の増減率がマイナスだったJ.フロント リテイリングは、大丸松坂屋百貨店合計で5.1%の増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では4.4%の増となった。直営15店舗中13店舗が前年実績を上回る結果に。10.2%増を記録した松坂屋名古屋店は、対前年2ケタ増かつ13ヵ月連続で前年実績を上回った。札幌店は4ヵ月連続、心斎橋店は3ヵ月連続でプラスとなった。売上を牽引したのは婦人ウールコートやカシミヤマフラー、ショートブーツなどの冬物衣料。美実宝飾品やラグジュアリーブランドも大幅に売上を伸ばした。

高島屋は単体14店舗で3.1%の増、高島屋単体及び国内百貨店子会社18店舗計でも3.1%の増となり、前月のマイナスから一転して売上を伸ばした。関東では日本橋店が8.3%、新宿店が5.6%、横浜店が3.6%の増。関西では大阪店が1.8%、京都店が2.3%の増だった。土曜日が前年比で1日多かったことに加え、気温低下に伴って衣料品の需要が回復。紳士服・紳士雑貨・婦人雑貨が前年を上回った。反面、婦人服は微減した。

そごう・西武も、前月の24店合計2.0%の減から3.7%増に回復。西武池袋本店は8.2%の増、そごう横浜店は5.8%の増だった。コートやニットなどの冬物ファッションが大きく伸張。上質なファッションアイテムの動きがよかった。宝飾・美術・インテリアも好調で、雑貨は2ケタの伸び率となった。
薄井テルオ
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