ジャン=ポール・エヴァン2/2--カカオへの飽くなき欲求【INTERVIEW】

2014.01.20

――素材などにも非常にこだわっていらして、実際に現地の農園を訪れて素材を選ぶとか。

最近は産地を訪れるショコラティエも増えてきました。私自身は、より良いカカオを求めての旅でもありますが、加えて、どんな人達がどのように栽培をしているのかを見に行きたいという気持ちがあります。より良いカカオ、美味しいカカオを育てることを追求している農園の人達と会って、わずかな時間でも話をしてみるということがとても貴重なんです。作る人達の情熱とか努力、暮らし方も含めて、実際にこの目で見ることがカカオを選ぶ上でも大切な要素になるのです。

――毎年行かれるのですか?

はい。毎年行きますが、場所は、エクアドル、ブラジル、ペル-、メキシコ、マダガスカルなどさまざまです。時にはカカオの産地ではないベトナムにまで(笑)。

――そこで、今年の収穫の善し悪しについて情報収集をされたりするのでしょうか?

そうですね。それだけではなくて衛生面にも関心があります。そこの農園ではどんな栽培の仕方をしているのか、どんなふうに機械を動かしているのか、流通させているのかといったことと同時に、衛生的に保とうと努力されているかどうかということも品質に大きく影響してくるので、そういったことにも関心を持って見に行きます。

――25周年ということで、日本では11年経ちましたが、これから日本でこんなことをしたいとか、何かビジョンをお持ちでいらっしゃったら聞かせて下さい。

短期的にも長期的にもいろいろありますが、ずっと取り組んできてぜひやり遂げたいと思っている仕事の一つに、クーベルチュールづくりがあります。自分の個性、パーソナルなタッチがしっかりと入った、それが表現されたようなクーベルチュールを作りたいと思っています。その世界を完成させたいと思っています。

例えばボンボンショコラの作り方一つとっても、私のボンボンショコラの作り方は、他のどのショコラティエもやっていない、非常にユニークなものです。自分独自の手法で、他の誰も実現し得なかったクオリティーを形にしていきたいと思っております。

――他の誰もがやっていないというのは、例えばどのようなことでしょう?

最終的には、味わいの違いを生んでいるかということですが、まずはテクスチャーの種類が非常に数多くあるということ。味わいのバリエーションも豊富ですから、この二つが相まって非常に特徴のあるアロマが出てくるのです。先日も他のショコラティエが作ったものと自分の作ったものを食べ比べてみて、自分でも大変驚きました。自分が作ったショコラは長くその味わいの余韻が続くのです。今、JALのファーストクラスで提供されるショコラを担当しておりまして、先日もミーティングがありましたが、先方が非常に驚かれていたのが余韻の長さでした。スパイスと蜂蜜を加えたボンボンショコラだったんですが、他にないような後引きがあったということでお褒めをいただきました。そういった余韻の長さ、味わいの強さを出すために、テクスチャーを非常に細かく調整しました。それによって、香りの潜在力を最大限に引き出すことができているんだと思います。

――アジアでは日本が最も店舗数が多いですが、日本のファンに対してメッセージがありましたら一言頂戴できるとうれしいです。

私は情熱を持って仕事に取り組んでいるので、お客様もパッションを持って味わってくれたらうれしいです(笑)。情熱こそが、やはり人生を輝かせるものだと思うのです。

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飯塚りえ
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  • ジャン=ポール・エヴァンのボンボンショコラ
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