9月10日はエルザ・スキャパレリの誕生日です

2014.09.10

ファッションデザイナーのエルザ・スキャパレリ(Elsa Schiaparelli)は、1890年9月10日生まれ。イタリアローマ出身。1973年11月13日逝去。

考古学者の父と貴族出身の母のもと、裕福な家庭に生まれ育つ。1914年にロンドンの神智学者ウィリアム・ド・ケルロルと結婚し、仕事の都合でアメリカに渡った彼に伴われて渡米。グリニッチに居を構えると、マン・レイ(Man Ray)やマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)といったアーティストと交流を持つ。22年に夫と離婚するとパリへ移住し、ファッション関連の職に就いた。

やがて、ポール ポワレ(Paul Poiret)に才能を見出されたスキャパレリは、デザイナーとしての活動を開始。27年にウニベルシテ20番地で小さなブティックをオープンした。このとき発表したのが、初のコレクションとなる「ディスプレイNo.1」である。そのうちの1つ「ボウノット・スウェター」で彼女はだまし絵の技法を使用し、タイをまいてるようなデザインニットに編み込む。これが『ヴォーグ(VOGUE)』に掲載されたこともあり、スキャパレリはヨーロッパのみならずアメリカからも注目を集める存在となった。

その後も、オールメタル仕様のボーイング247就航にインスパイアされた「エアロプレーン」や、ジッパーを強調した「ファスナードレス」、新聞紙面をファブリックにプリントした「ニュースファッション」などアヴァンギャルドな装いを次々と発表。他にも、ハイヒールを模った「シューハット」や、ハリウッド女優のメイ・ウェスト(Mae West)のボディラインをボトルに模った香水「ショッキング」など、スキャパレリはグラフィカルで遊び心に満ちた作品を発表し続ける。そんな、作品の中で彼女が多用した派手なピンクカラーリングは、その後パリに根付くことになり、いつしか“ショッキング・ピンク”と呼ばれるようになった。

その一方でアメリカ時代からあったアーティストとの交流は加速し、この頃から彼女の作品はシュールレアリズムの影響を受け始める。その代表作となったのが、画家のサルバドール・ダリ(Salvador Dali)によるデザインを取り入れたコレクションだ。キルティングによってろっ骨や背骨を浮き上がらせた「スケルトンドレス」など、このコラボでスキャパレリは当時としてはあまりにセンセーショナルな作品を数多く発表している。

やがて、第2次世界大戦が勃発すると、スキャパレリはアメリカに移住。終戦後にパリで活動を再開させるが、54年に引退。メゾンも閉鎖されたが、2007年にトッズ(TOD’S)グループが買収し、再興を計る。13-14AWシーズンにクリスチャン・ラクロワ(Christian Lacroix)が彼女の偉業を称え、クチュールコレクションを発表。現在クリエーティブディレクターには、マルコ・ザニーニ(Marco Zanini)が就任している。
HEW
  • エルザ・スキャパレリ
  • エルザ・スキャパレリのデザイン画
  • エルザ・スキャパレリ
  • エルザ・スキャパレリ
  • エルザ・スキャパレリ
ページトップへ