肉を愛する安藤裕子が下町・東向島でステーキを頂き、馬喰町でアンティークボタンに出合う【東東京タイムトラベルvol.3】

2016.05.05

先ごろ9枚目となるアルバム「頂き物」を発表したばかりの歌姫、安藤裕子さん。ジャケットと同じく、美しい着物をまとった彼女と共に東東京を楽しむ東東京ぶらり散歩の後編。

■特許取得の隠し技で、美味しいステーキが食べられる「レストラン カタヤマ」

3軒目に向かった「レストラン カタヤマ」は、安藤さんにとってこの日の目玉といえる店かもしれない。なんせ彼女、常日頃、好きを公言していて、最新アルバム『頂き物』ではDJみそしるとMCごはんさんと共に「霜降り紅白歌合戦」なんて曲も披露しているのだ。

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隅田川に架かる白鬚橋の程近くにある「レストラン カタヤマ」


「気分転換に贅沢したいなってときは、ブランドものだとか洋服よりも、肉ですね。デパートでちょっといい肉を買ってきて焼くのが好きなんです」。そう語る彼女は、カタヤマのご主人が肉のおいしさを極めるために編み出した加工法「駄敏丁カット」についても「もちろん知ってました。2、3回テレビで観ました」と言い、さらに「肉がテーマのTV番組は録画することも多いんです」とさらり。

店での食べっぷりもさすがで、切った肉を口元に運ぶさまはなんとも美しいのだが、気付けば運ばれてきた料理をぺろりと平らげてしまっている。

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美味しいお肉は人を幸せにしてくれる


チョイスしたメニューは、マルキンオムライスステーキ定食(100g/税込2,855円)、特選テンダーロイン定食(100g/税込6,480円)とどちらもかなりボリューミーなものでありながら、「おいしいからごはんをつけても250gはいける!」と豪語。オムライスに関しても、「クラシカルな懐かしい味がすてき」と笑顔を浮かべた。

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オムライスとステーキ、どちらも味わえるのも魅力の一つ!マルキンオムライスステーキ定食(100g/税込2,855円)


【お店情報】
レストラン カタヤマ
東京都墨田区東向島4-2-6
03(3610)1500
営業時間:月~金/11:00~14:30、16:30~20:45LO
土日祝/11:00~20:45LO
年中無休
http://dabintyo.jp/

大満足の彼女に、次の店へ向かう道中、多彩なアーティスト陣による書き下ろし楽曲で構成されるアルバム『頂き物』について伺ってみると、これまでにないスタイルの一枚が誕生した経緯が判明した。

「ここ数年、おばあちゃんが亡くなったり子どもが生まれたり、東北で震災があったりしたことから、生まれることや命を終えることに目を向けることが多く、自分が作る音楽にも死生観・終焉観が大きく反映されていったんです。と同時に、以前は音楽と向き合うとき、“楽しい”が中心にあったのに、ふざけて曲を書けなくなってきて」

そんな安藤さんにディレクターが「曲が書けないなら、“うたう”ことをやってみたら?」と提案したことがきっかけとなり、今回のアルバムを発表するに至ったのだという。

「はじめにオファーしたのはスキマスイッチだったんですけど、依頼時はとにかく自分から離れたいという想いが強かったので、『安藤裕子が歌うということを考えずに作ってください』とお願いしました。でも、一人ひとりに頼んでいるうちに、だんだんそのルールは崩れてきましたけどね(笑)」

他のアーティストが書き下ろした曲を歌うことで、音への言葉の割り当てから子音の発声に至るまで、人によってさまざまなクセがあることを存分に楽しんだというが、最後の一曲を自分で書いたことによって「やっぱり自分の曲を歌えるっていいな」ということにも改めて気付かされたという。

「自分の曲を歌うことは、楽しいだけじゃなくて切なくもある。生きてるって実感が持てるんです」。

その感覚を大切にすべく、日々の生活での発見や出会い、それに伴って生まれる感情をインプットすることも楽しんでいることは、次に訪れたアンティークボタン屋「CO(コー)アンティーク&コレクタブルズ」で安藤さんが目を輝かせていたことからも明らかだ。

■「CO アンティーク&コレクタブルズ」

「ボタンって使う予定がなくても買っちゃいますよね。小さい頃は、着物の端切れなんかをおばあちゃんにもらうのも大好きでした」と安藤さん。

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アンティークボタンがそろう馬喰町「co-」


安いものだと100円程度だが、高くて10万円のアンティークボタンまでそろう店内は、まるでボタンのミュージアムイギリスフランスで直接買い付けしているという店主いわく、「ボタンって小さいですけど、その一粒の中に時代が反映されているのが魅力です」。アールヌーボー調、アールデコ調のものなど、眺めているだけでも楽しい気持ちになってくるボタンは、脚がついているタイプなら、店オリジナルのリング台座に取り付けて世界に一つの指輪を作ることもできる。

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「小さなボタン一粒の中に時代が反映されているのが魅力」と店主の小坂さん



【お店情報】
CO(コー) アンティーク&コレクタブルズ
東京都千代田区東神田1-8-11森波ビル1F
03(5821)0170
営業時間:12:00~19:00
定休日:日曜、祝日
https://co-ws.com/

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安藤裕子さん


【安藤裕子さんプロフィール】
1977年生まれ。シンガーソングライター。03年ミニアルバム「サリー」でデビュー。物語に対する的確な心情描写が高く評価され、多くの映画/ドラマの主題歌も手がけている。CDジャケット、グッズのデザインや、メイク、スタイリングまで全て自身でこなし、時にはミュージックビデオの監督まで手がける。14年には、大泉洋主演 映画「ぶどうのなみだ」でヒロイン役に抜擢。16年3月には、最新アルバム『頂き物』を発売。5月には、東京・大阪の2会場で”Live 2016「頂き物」”を開催する。

http://www.ando-yuko.com



--「下町情緒が宿る東京・谷中を安藤裕子が着物でぶらり歩く。懐かしの給食食器やナチュラルスムージーまで名店巡り【東東京タイムトラベルvol.3】へ
松本玲子
  • 隅田川に架かる白鬚橋の程近くにある「レストラン カタヤマ」で※牡蠣メニューは10月から
  • レストラン カタヤマの特選テンダーロインを手にする安藤裕子さん※牡蠣メニューは10月から
  • 肉好きを公言する安藤裕子さん
  • マルキンオムライスステーキ(100g/税込2,855円)
  • 出来たて熱々のハンバーグをいただきます※牡蠣メニューは10月から
  • 美味しいお肉は人を幸せにしてくれる※牡蠣メニューは10月から
  • レストラン カタヤマでは、ベストなタイミングでお肉を提供するための心配りがいろいろ※牡蠣メニューは10月から
  • 「レストラン カタヤマ」は、美味しいお肉を少し頂きたい時も、お肉をお腹一杯食べたい時にもオススメのお店※牡蠣メニューは10月から
  • カウンター席もあるから、キッチンの様子を眺めながら一人で訪れるのもよし※牡蠣メニューは10月から
  • レストラン カタヤマのご主人が肉のおいしさを極めるために編み出した加工法「駄敏丁カット」も堪能したい※牡蠣メニューは10月から
  • 馬喰町のアンティークボタンショップ「co-」で
  • 馬喰町のアンティークボタンショップ「co-」で
  • 「ボタンって使う予定がなくても買っちゃいますよね。」という安藤裕子さん
  • 「小さなボタン一つにも時代が反映されているのがボタンの魅力」と店主の小坂さん
  • 眺めているだけでも楽しい気持ちになってくるボタン
  • 店主自らがイギリスやフランスで直接買付けてくるというアンティークボタンがずらり
  • 今回東東京を散歩するのは安藤裕子さん
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