エディの2ndシーズンにジェームス・チャンス登場。セリーヌがパリでコレクション発表【2019-20秋冬メンズ】

2019.01.21

エディ・スリマンHedi Slimane)がセリーヌCELINE)の2019-20年秋冬シーズンのアイコンに選んだのはなんとジェームス・チャンス(JAMES CHANCE)だった。昨年9月のウィメンズパリコレ期間中に、アーティスティック、クリエイティブ、イメージ・ディレクター就任初のコレクションを発表したエディのセリーヌは、今回初めてパリメンズの期間中にコレクションを発表。1月20日、ファッション・ウィークの最終日のフィナーレに、サックスソロで演奏したジェームス・チャンスの存在は、世代を超えて新しいセリーヌファンに向けた新しいアプローチだったことは間違いない。

1978年に発売されたNYポストパンクのコンピレーションアルバム「NO WAVE」でコントーションズのメンバーとして参加し、目の周りにあざを作ったままのリーゼント姿のポートレートを披露したジェームス・チャンスは衝撃的だった。その演奏自体が、ジャズとパンクを融合させ、後にジェームス・ホワイトと名乗ったように、ファンクの帝王ジェームス・ブラウンのステージングも下敷きにされていた。2010年、2016年に来日し、日にも80年代からのファンは多い。




ロックンロールのスリムなスタイルをベースに2000年以降の新しいメンズウエアに刺激を与え続けてきたエディ・スリマンが今回「ロンドン・ダイアリー」というテーマで打ち出したコレクションは、これまで同様トラディショナルなテーラードアイテムを、ツイードやカシミア、レザーなどで表現しているが、前シーズンよりシルエットはスクエアに、クラシカルなバランスに変化。ジェームス・チャンスが愛用する50'sのスーツに代表されるコンポラスタイルやアニマルパターン、ライダースもエディのこれまでのワードローブそのままながら、確実に新しいセリーヌの顧客を掴むだろう。



NYからロンドンに渡り、再びNYへ戻ったパンクのダイアリーを、エディがまた今の時代にポラロイドで切り取り、世界中の街角でピンナップされる。エディのディオール オムサンローランも知らない世代、層がそれをSNSで認知し、あたらしい輪に加わっていく。そういう時代だ。


Text: Tatsuya Noda
野田達哉
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