パリから来日する“ルーヴルの顔”、国立新美術館「ルーヴル美術館展」で肖像芸術の傑作約110点を一挙に堪能

開催日:2018.05.30-09.03
2018.05.17
東京国立新美術館では、5月30日から9月3日まで「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」を開催する。

アントワーヌ=ジャン・グロ 《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom

人の似姿を描く肖像は、スマートフォンの高性能カメラで意のままに自分を撮ることが当たり前となった現代社会において、いまや最も身近な芸術と言えるかもしれない。しかし一方で、肖像は最も長い歴史を持つ芸術ジャンルでもある。

展では、3000年以上も前の古代メソポタミアの彫像や古代エジプトのマスクから、19世紀ヨーロッパ絵画彫刻まで、極めて広範にわたる時代や地域の作品を対象にしながら、肖像が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにする。ルーヴル美術館の古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画の全8部門による全面協力のもと、各部門を代表する肖像の傑作およそ110点を一挙に堪能出来る、きわめて貴重な機会となる。

ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》1560年頃
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom

今回のみどころの一つ、16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼによる『美しきナーニ』は、ルーヴル美術館が所蔵する数々のルネサンスの肖像画のなかでも、最高傑作の一つとして名高い作品。この至宝の肖像画が、27年ぶりに来日を果たす。

さらに、古代エジプトのアメンヘテプ3世、マケドニアのアレクサンドロス大王、アウグストゥス帝やカラカラ帝らのローマ皇帝、ルイ14世を始めとする歴代のフランス国王、そしてフランス王妃マリー=アントワネットなど、歴史を彩った時の権力者たちの肖像が一堂に会す。中でも大きなみどころとなるのが、フランス皇帝として名を馳せたナポレオンのコーナー。将軍時代を経て、皇帝として最高権力を手にしながらも、追放先の孤島で孤独な最期を迎えることになったナポレオンの激動の人生を、アントワーヌ=ジャン・グロの傑作『アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)』を始めとする5点の作品でたどる。

ジュゼッペ・アルチンボルド《春》1573年
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom

本展では、俳優の高橋一生がオフィシャルサポーターに就任し「音声ガイド」のナビゲーターにも挑戦。この他、パリのフランス流紅茶専門店「マリアージュ フレール」や、「とらや」とコラボレーションしたスペシャルグッズの販売、ホテルコンラッド東京」や「ザ・リッツ・カールトン東京」でのコラボレーションメニューの提供、六本木東京ミッドタウン内のショップ・レストラン&バーでも関連メニューが展開されるなど様々なイベントが目白押し。早割チケットや特典付きのお得なチケットも販売。詳細は展覧会ホームページ(http://www.ntv.co.jp/louvre2018)にて。

身近でありながら、奥深い肖像芸術の魅力に迫る、史上空前の本格的な展覧会をお見逃しなく。


【展覧会情報】
ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか
会期:5月30日~9月3日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
時間:10:00〜18:00(6月の金・土曜は20:00まで、7〜9月の金・土曜は21:00まで)※入場は閉館時間の30分前まで
料金:一般1,600円(1,400円) 大学生1,200円(1,000円) 高校生800円(600円) 中学生以下無料
※( )内は前売り及び20名以上の団体料金
休館日:毎週火曜日(8月14日は開館)
編集部
  • 《棺に由来するマスク》新王国時代、第18王朝、アメンへテプ3世の治世(前1391-前1353年) エジプト出土
  • 《女性の肖像》2世紀後半 エジプト、テーベ(?)出土
  • 《ボスコレアーレの至宝 エンブレマ型杯》35-40年頃 イタリア、ボスコレアーレ出土
  • 《女性の頭部》150-250年 シリア、パルミラ出土
  • ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房《マラーの死》1794年頃
  • 《王の頭部》、通称《ハンムラビ王の頭部》バビロン第1王朝、前1840年頃 イラン、スーサ出土
  • 《アレクサンドロス大王の肖像》、通称《アザラのヘルメス柱》2世紀前半、リュシッポスによる原作(前340-前330年頃)に基づきイタリアで制作 イタリア、ティヴォリ出土
  • ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル《フランス王太子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアンの肖像》1842年
  • アントワーヌ=ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年
  • クロード・ラメ《戴冠式の正装のナポレオン1世》1813年
  • フランチェスコ・アントンマルキ《ナポレオン1世のデスマスク》1833年
  • セーヴル王立磁器製作所(ルイ=シモン・ボワゾの原作に基づく)《フランス王妃マリー=アントワネットの胸像》1782年
  • セーヴル王立磁器製作所《国王の嗅ぎタバコ入れの小箱》1819-1820年、マリー=ヴィクトワール・ジャクオト《「国王の嗅ぎタバコ入れ」のためのミニアチュール48点》1818-1836年
  • サンドロ・ボッティチェリと工房《赤い縁なし帽をかぶった若い男性の肖像》1480-1490年頃
  • レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《ヴィーナスとキューピッド》1657年頃
  • ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》1560年頃
  • エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン《エカチェリーナ・ヴァシリエヴナ・スカヴロンスキー伯爵夫人の肖像》1796年
  • フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス《第2代メングラーナ男爵、ルイス・マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネスの肖像》1791年
  • フランツ・クサファー・メッサーシュミット《性格表現の頭像》1771-1783年の間
  • ジュゼッペ・アルチンボルド《春》1573年
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