ダイアン・アーバスの幻のポートフォリオがアーバス展カタログで蘇る【ShelfオススメBOOK】

2018.04.21
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京渋谷神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。




■『A Box of Ten Photographs』ダイアン・アーバス(Diane Arbus)

この4月からワシントンD.C.のスミソニアン・アメリカ美術館(Smithsonian American Art Museum、SAAM)で開催されているダイアン・アーバス展(〜2019年1月21日)の豪華カタログ。映画『シャイニング』の双子の幻影でスタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)がオマージュを捧げたことでも知られる女性写真家ダイアン・アーバスの代表作を収録している。

『A Box of Ten Photographs』は、アーバスが自殺によりその短い生涯を終える1~2年前に制作したポートフォリオで、オリジナルは繊細なガラスケースに10点のプリントを収め、一点一点に手書きの作品タイトルを添えた厚手のトレーシングペーパーを添えた美しいものであった。このポートフォリオは結局アーバスの生前には5セットしか売れなかった。

書は、雑誌『ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)』のアートディレクター、ベア・フェトラー(Bea Feitler)が購入した5セット目を再現した前半部分と、展覧会のキュレーターによる解説を収めた後半部分から構成されており、まるで印画紙そのものを綴じ込んだかのような写真ページはとても美しい。本来10点のプリントからなるポートフォリオであったが、アーバスはベア・フェトラーのために1点余分にプリントをプレゼントし、表紙題字を“Ten”から“Eleven”に手書きで訂正しており、そんなところも忠実に再現されている。





【書籍情報】
『A Box of Ten Photographs』
写真:Diane Arbus
出版社:Aperture
言語:英語
ハードカバー/110ページ/360×280mm
発刊:2018年
価格:1万1,630円(為替により変動)
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