例えば落語から絵画は語れるのか?絵画の可能性を問い続けるGROUNDの活動記録【NADiffオススメBOOK】

2017.08.31
木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiffナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、『GROUND 2 絵画を語る―自作を語る』。愛知名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)によるご紹介です。



■『GROUND 2 絵画を語る―自作を語る』

グラウンド(GROUND)は、“絵画の可能性”を示すことを共通の目的意識として活動を行うグループ。小林孝亘、額田宣彦、丸山直文、高橋信行、猪狩雅則の5名の画家によって2014年に結成され、同年「GROUND 絵画を語る―自作を語る」展以降、活動を続け、一方的に史実を語ったり、絵画論を押し付けたりせず、描く者も見る者も共に思考し、対話できる風通しのよい“場”(=GROUND)を作ることを目指す。

書は、2016年5月23日から8月21日まで武蔵野美術大学の美術館展示室にて行われた展示のカタログ。5人の新作中心の展示を収録した図録と、“見方を語る”をテーマ開催されたシンポジウム(「見方を語る―たとえば落語から絵画は語れるのか」「見方を語る―たとえば、映画をみることと、絵画をみること」)の記録集の2冊組となっている。

シンポジウムでは、2016年よりGROUNDに参加する中村麗をモデレーターに、絵画以外の領域にも積極的に越境することで、メンバーやゲストが複眼的に見方について語るという試みがなされている。表現者は何をどのように見て、どう伝えようとしているのか。展示とシンポジウムのふたつの“場”から生まれる対話によって、GROUNDの共通意識である「“絵画の可能性”を示すこと」が実行される。

NADiff aichi店内では、9月18日まで「GROUND α collaborative drawings」イン・ストア・フェアを開催。GROUNDの5名が、指示書に従いリレー形式で1枚の紙に協働して描くというユニークな試みから生まれたドローイング作品を展示販売。2017年6月に開催された「GROUND α collaborative drawings―ぼくの土地にみんなで家を建てた」展(NADiff Gallery)に続き、作品を実際に観ることのできるフェアとなっている。

書籍情報】
『GROUND 2 絵画を語る―自作を語る』
著者:(図録)中村麗、小林孝亘/(記録集)小林英樹、高橋信行、猪狩雅則、鳥越麻由
発行元:武蔵野美術大学 美術館・図書館
言語:日本語
ケース付2冊組(図録)ハードカバー/(記録集)ソフトカバー/図録48ページ、記録集68ページ/303×190mm
発売:2016年
価格:2,500円
NADiff
  • 『GROUND 2 絵画を語る―自作を語る』
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