自然と笑顔になれる“おやつの時間”をアトリエの習慣に【文筆家・甲斐みのりさんの定番論】

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天井まである大きな本棚にはさまざまなテーマの本が並ぶ。本だけは惜しみなく買ってくれたご両親は、昔から俳句をたしなんでいたとか。
  • 天井まである大きな本棚にはさまざまなテーマの本が並ぶ。本だけは惜しみなく買ってくれたご両親は、昔から俳句をたしなんでいたとか。
  • 文筆家 甲斐みのりさん
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  • 自然と笑顔になれる“おやつの時間”をアトリエの習慣に【文筆家・甲斐みのりさんの定番論】
  • 若き日の母がお気に入りだった涼し気な色合いのワンピースたち。双子のワンピース名づけ、今は甲斐さんのワードローブに。
  • 若き日の母がお気に入りだった涼し気な色合いのワンピースたち。双子のワンピース名づけ、今は甲斐さんのワードローブに。
  • 自然と笑顔になれる“おやつの時間”をアトリエの習慣に【文筆家・甲斐みのりさんの定番論】
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旅、雑貨、お菓子、クラシックホテルなど、女性が好み憧れを抱くモノやコトをテーマに書籍を手掛ける文筆家であり、雑貨の企画・制作を行うLoule(ロル) を主宰する甲斐みのりさん。

長く愛用する暮らしの道具、昔から蒐集している偏愛モノ、祖母や母から譲り受けた宝物など、好きなモノに囲まれたアトリエで語る彼女の定番論とは?


■京都で出合ったモノゴト

大学卒業後、憧れだった京都で暮らし始めた甲斐さん。さまざまな人に出会い、多くのモノに出合った京都の日々。なかでも「祇園の老舗料亭で働いたこと」は大きな財産という。「接客作法や着付けはもちろん、暦行事と食材、器、しつらいの関係、など覚えることだらけでした。だけど大変ではなくてとても楽しかった。女将さんなどに教えていただいた京の伝統や文化は、執筆時にもとても役に立っています」。

そこで見聞きした職人の仕事や一流の道具は、若き甲斐さんのモノの見方や選び方へとつながっていく。「ちゃんとした暮らしの道具をそろえたのも京都時代です。いろいろなお店に足を運んで話を聞いて、家に持ち帰ったのは老舗の道具ばかりでした」。

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有次の包丁、金網つじの焼き網、開化堂の茶筒、イノダコーヒーの琺瑯ポットなど、京都で出合った暮らしの相棒たち。品物がいいのは当然だけど、大事なのは変わらぬ安心感だった。「気に入った道具は、長く使い続けたい。友人や周囲に薦めたい。いつでも同じモノがある、だから老舗の道具がいいんです」


■年齢を重ね変わる価値観、変わらぬ思い

30代半ばを過ぎて「毎日を機嫌よく過ごしたい」という強く思うようになった。小さなころはお菓子ひとつでご機嫌になれたのに、大人はなかなかご機嫌になれないもの。だから「生活に『おやつの時間』を取り入れるように。仕事ではどうしても眉間にしわが寄ることもある。だから一日一回、自然と笑顔になれる『おやつの時間』をアトリエの習慣」にしたそう。おやつに登場するのは、京都のお菓子が多い。「好きなのは、見た目に可愛くて世界観があるようなお菓子。また素朴で安心できるような味わいのお菓子も好きですね」。

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京都在住のアロマテラピストmakaさんが手掛けるハーブティー。何種類ものハーブやドライフルーツなどを体調にあわせブレンド。甲斐さんの友人の店「kit」で販売。

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「坂田焼菓子店」の愛らしく素朴な味わいのクッキーや焼き菓子。アップルパイやピーカンパイなどもあり、甲斐さん絶賛のお菓子屋さん


可愛くて世界観がある、お菓子と同じく彼女のファッションにつながるキーワードだ。「昔から好きな服は、皆川明さんが手掛ける『ミナ ペルホネン』ですね。絵画的なファブリックやその世界観に心が惹かれます」。服をひとつのモノとして捉えている甲斐さん。「だから試着しない(笑)。昔も今も割と一目惚れでさっと買っちゃいます」。それでも若いころと違うのは「デコラディブなものよりもシンプルなデザインを、また着心地のよさや素材にも目がいくようになりましたね」。


■甲斐さんのお気に入り

甲斐さんのお気に入りは、誰もがステキだと感じる道具、かわいい!と声をあげるようなお菓子や服だけに限らない。子ども時代から蒐集している、偏愛モノがある。それは包装紙や箱や缶などのパッケージだ。「ひとりで喫茶店やお酒の場に行くようになってそこにマッチが加わりました」。人にとっては価値がないモノと笑いながら、「デザインや柄がかわいくて、見ていて飽きない」とまるで宝物のように話す。このたび書籍化がすることになり、価値なきモノにちょっぴり価値がつくかもしれない。

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かわいい包装紙は、テープをそーっと剥がして大切に保管しています
 

また家族から譲り受けたモノも大事にしている。といっても、宝石や時計ではなく、祖母が長く定期購読していた『暮しの手帖』や若いころの母親がお気に入りだったモダンなデザインのワンピースだ。アトリエの本棚にずらりと並ぶ祖母の愛読誌、「私が着なくてもきっと置いておく」という母のワンピースは、どちらも何十年前のモノなのに、甲斐さんの暮らしのなかにしっくり馴染んでいる。

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若き日の母がお気に入りだった涼し気な色合いのワンピースたち。双子のワンピース名づけ、今は甲斐さんのワードローブに


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祖母から譲り受けた、花森安治さんが編集長時代の「暮しの手帖」。長らく定期購読をしていたそう。


京都で出合った暮らしの道具やお菓子、昔から大好きな洋服やアクセサリー、興味にまかせて書籍や雑誌、家族から譲られたモノ、偏愛コレクション、たくさんのお気に入りに囲まれた暮らし。長く愛せるモノが好きで、好きなモノを長く愛する、それが甲斐さんとモノとのつき合い方なのだ。



【プロフィール】
女性が好み憧れを抱くモノやコトをテーマに書籍を手掛ける文筆家であり、雑貨の企画・制作やイベントを行う『Loule(ロル)』 を主宰する。近著に『一泊二日 観光ホテル旅案内』(京阪神エルマガジン社)、『全国かわいいおみやげ』(サンマーク出版)、『地元パン手帖』(グラフィック社)などがある。
http://www.loule.net



【staff】
photographs : Hideyuki Seta
hair & make-up : China Akiba
text : Yukiko Mori
《森有貴子》
  • 天井まである大きな本棚にはさまざまなテーマの本が並ぶ。本だけは惜しみなく買ってくれたご両親は、昔から俳句をたしなんでいたとか。
  • 文筆家 甲斐みのりさん
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  • 若き日の母がお気に入りだった涼し気な色合いのワンピースたち。双子のワンピース名づけ、今は甲斐さんのワードローブに。
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  • 京都在住のアロマテラピストmakaさんが手掛けるハーブティー。何種類ものハーブやドライフルーツなどを体調にあわせブレンド。甲斐さんの友人の店「kit」で販売。
  • 京都在住のアロマテラピストmakaさんが手掛けるハーブティー。何種類ものハーブやドライフルーツなどを体調にあわせブレンド。甲斐さんの友人の店「kit」で販売。
  • 甲斐さん定番コーヒーは、京都・三条河原町にある「六曜社珈琲店」のブレンド。ブラックで飲んで初めて「おいしい!」と思えたコーヒーだとか。
  • 老舗ながら新たな味を追求する「鶴屋吉信IRODORI」。見た目でノックアウトされる、パステルのような寒天菓子「琥珀糖」やカラフルなキャンディ「有平糖」。
  • 老舗ながら新たな味を追求する「鶴屋吉信IRODORI」。見た目でノックアウトされる、パステルのような寒天菓子「琥珀糖」やカラフルなキャンディ「有平糖」。
  • 「坂田焼菓子店」の愛らしく素朴な味わいのクッキーや焼き菓子。アップルパイやピーカンパイなどもあり、甲斐さん絶賛のお菓子屋さん。
  • 祖母から譲り受けた、花森安治さんが編集長時代の「暮らしの手帖」。長らく定期購読をしていたそう。
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  • 天井まである大きな本棚にはさまざまなテーマの本が並ぶ。本だけは惜しみなく買ってくれたご両親は、昔から俳句をたしなんでいたとか。
  • 天井まである大きな本棚にはさまざまなテーマの本が並ぶ。本だけは惜しみなく買ってくれたご両親は、昔から俳句をたしなんでいたとか。

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