今まで見たことのないユニークな箒をつくる熊本のクラフトショップ「OPEN STUDIO」【九州のクリエイターたち:02】

2017.03.26
三越伊勢丹ビームスBEAMS)がタッグを組み日各地の魅力を再発見するプロジェクトイベントSTAND九州」が、3月29日より伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージとビームス ジャパン1階でスタートする。

FASHION HEADLINEでは、同イベントに参加をする九州クリエイターたちにスポットをあて取材を行った。連載第二回目は、熊本の「オープンスタジオ(OPEN STUDIO)」を紹介する。

■オープンスタジオ “日常のユーモアをデザイン"

自身で編んだ箒に、アイスホッケーの柄を組み合わせた斬新でユーモアのセンスあふれるオリジナルアイテム。工房には、その他にも、テニスラケット、ギター、三味線、空き缶などを柄にしたものなど、ここにしかないデザインの箒が大小さまざまに揃う。この発想は一体、どこから生まれたのだろう。

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熊本市内にある蔦に覆われた印象的な工房「オープンスタジオ」は、1979年に吹きガラスの工房としてオープンした。オーナーの高光俊信さんをひと言で表せば、才気溢れる“デザイナー”である。高光さんは、大学生の時分から福岡で紙のデザインを師から学び、その後、イギリスでは吹きガラスの技法を、次の10年はアメリカ工芸学校で金属を学び…といった具合に、1素材10年構想で次々と自分のものにしていった。その途中で、白水村の牛小屋を改装して「ASOギャラリー」を開設したり、北アイルランドで海外初の個展「和紙と光のインスタレーション」を開くなど表現活動も同時に行なってきた高光さん。そして、今ではあらゆる素材を生かして、頭の中に浮かぶアイディアをデザインし具現化している。

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箒づくりを始めたきっかけは、意外にも、五右衛門風呂を逆さにして造った薪ストーブから鉄の薪ストーブを造り、販売する中で、灰の処理や掃除に使う箒が必要になったからなのだとか。そこで、アメリカの工芸学校を再訪し、1週間という短期間で、アメリカ式の箒の編み方を習ったそうだ。

現在では、アメリカ式の箒の編み方から、さらに丈夫に使える自身のオリジナルの編み方を生み出し、デザインを発表し続けている。「日常でふっと感じたこと、頭から離れないことなど、そこから発想の転換で、今までにない新鮮なものが生まれる、それが私の仕事」と話す高光さん。デザインやものづくりをする際に、大事にしているのは、「既成概念にとらわれない」ことだという。

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バイタリティは衰えることなく、思い描く最終着地点は、自身が学んだものを分かち合う「ものづくり教育」。現在も「ASOギャラリー」で「阿蘇ものづくり学校」という取り組みを行ない、トンボ玉とイヤリング制作や、阿蘇に自生するススキで箒づくりなどのワークショップを定期的に開催。ともに仕事をしている息子の太郎さんと、地域でものづくりの教育・支援に取り組めるようなASOものづくりネットワーク構想を考えている。驚きや感動…人の心を動かすモノやコトを生み出し続けている高光さん。その手は、魔法の手であり、努力の手なのだ。

「STAND九州」では、オープンスタジオの箒の柄にべらを組み合わせたユーモラスで実用性溢れるオリジナルアイテムが登場する。

【イベント情報】
「STAND九州」
伊勢丹新宿
会期:3月29日~4月4日
場所:伊勢丹新宿店本館1階=ザ・ステージ
時間:10時30分~20時

■ビームス ジャパン
会期:3月29日~4月11日
場所:ビームス ジャパン1階
時間:11時~20時

【取材協力】
「OPEN STUDIO」
住所:熊本市中央区本荘町672-2
電話:096-366-5964
営業時間:9時~18時
定休日:年中無休
前田 亜礼
  • 熊本の工房「OPEN STUDIO」
  • OPEN STUDIOオーナーの高光俊信さん
  • 熊本の工房「OPEN STUDIO」
  • 熊本の工房「OPEN STUDIO」
  • 熊本の工房「OPEN STUDIO」
  • 熊本の工房「OPEN STUDIO」
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  • OPEN STUDIOオーナーの高光俊信さん
  • OPEN STUDIOオーナーの高光俊信さん
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