サプールに訊く“私が着飾る理由”--エリック・カンガ(37歳・デザイナー)【INTERVIEW】

2016.07.31

ファッションを愛する男たちが、この夏コンゴから来日した。平均月収3万円という貧しい国に暮らしながらも、オシャレに着飾ることで、世界中にファッションの持つ力を教えてくれる彼ら。

FASHION HEADLINEでは、来日したサプールメンバー6人、一人ひとりに7つの質問を投げかけた。

国では自分の店を持ち、デザイナーとして活躍するエリックさん。この日は、自分で作ったベストとパンツを履いて登場。インタビューの途中も蝶ネクタイ作りに没頭していたように、着飾るだけでなく、服作りにも情熱を傾けている。

Q1:サプールを始めたきっかけは?

大学では会計学専攻だったのですが、卒業して職を探したのですが上手くいきませんでした。もともとファッションが好きということもあって、シャツやネクタイなどの販売の職につくことにしたんです。それから、コンテスト(コンゴではバーやクラブなどで、着こなしを競い合うショーが開催される。企業が協賛する大きなものもある)などに参加するようになって、徐々にサプールとして認められていきました。

Q2:ファッションの楽しさを覚えたのはいつ?

それはもう、とっても幼いの頃からですよ。朝昼晩と、日に3回”お色直し”をするような子供でしたね。

Q3:スタイリングのこだわりは?

昔は既製服が中心だったのですが、今では多くのアイテムを自分で作っています。ですので、自ら作ったアイテムをどこかに取り入れるようにしています。今日のパンツもオリジナル。裾を白の別布で切り替えているのがポイントです。

Q4:好きなデザイナーやブランドは?

なら、J.M.ウエストンですね。

Q5:来日するにあたり楽しみにしていたことは?

今回は仕事としての意味合いも強いので、そこはしっかりと果たしつつ。個人的には、いろんな人に自分の作った服やネクタイなどを見てもらいたいですね。自分で生地を選んで、縫製も手掛けているアイテムなので。

Q6:あなたにとってのファッションの魅力とは?

着飾ることで人を喜ばせることもできるし、人を感化させることもできると思います。服装によって、あなたがどんな人物であるか、他人にメッセージを送っているのですから。

Q7:これからの夢を教えてください

オートクチュールで名を馳せるようなブランドで働いてみたい。自分にはデザインの才能があると思っています。アフリカではあまりチャンスがないので、世界のいろんなところにいって、自分の作ったものを見てもらいたいです。

今回、写真集『THE SAPEUR コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン』(撮影:茶野邦雄)や沖縄で開催中の写真展『アフリカ大陸コンゴの世界一おしゃれな紳士“サプール(SAPUER)”写真展 THE SAPUER』のプロモーションを兼ねて来日したサプールメンバー。下記のインベントや写真集でも、彼らのファッションやスタイルを間近に知ることが出来る。

【写真集】

タイトル:THE SAPEUR~コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン
著者:茶野邦雄
出版社:オークラ出版
価格:2,700円

【写真展】

タイトル:アフリカ大陸コンゴの世界一おしゃれな紳士“SAPUER(サプール)”写真展
日時:開催中~8月31日
場所:沖縄県沖縄市久保田3-1-12
プラザハウスショッピングセンターフェアモール3F ライカムアンソロポロジー
入場料:500円(中学生以下無料)
森下隆太
  • サプールでありデザイナーのエリック・カンガさん
  • 本国では、スタイリングを頼まれることもあるというエリックさん
  • 自分でデザインしたエリックさんデザイン
  • 写真家・茶野邦雄による写真集「THE SAPEUR~コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン」は、オークラ出版より発売中(2,700円)
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