西京味噌×パンの美味しい出会い。変わり種もっちりベーグルが自慢のパン屋・Flip UP編【京都の旅】

2016.01.05

京都の伝統的な味噌、西京味噌。短期熟成でつくる西京味噌は、一般的な赤味噌に比べ塩分割合が低く強い甘みが特徴だ。そのまま食べてもおいしく、優れた料理のベースにもなることから、今、西京味噌を使った新感覚のペアリングがあちこちで試みられている。京の町では、注目のパン職人たちが「西京味噌×パン」をテーマに、コンセプチュアルなパンを次々と生み出している。新しい味づくりにチャレンジする人気の店を訪ねてみた。

■烏丸御池のパン屋「フリップ アップ!(Flip UP!)」

大手のパンメーカーや北海道のパン店で修業し、15年に京都へ自分の店を開いた宮伸治さん。「僕が食べたいパン、美味しいと思うパンをみなさんに食べて欲しいと思って、毎日パンをつくっています」と快活に笑う。今は県外からも多くのお客さんが訪れるが、あくまで地元の人に愛される地域に根ざした“町のパン屋さん”でありたいと言う。

小麦は国産7:外国産3を基本に、自家製酵母を使ってオリジナルのパンをつくる。“とてもいい仕事をしてくれる”という自慢の酵母は、2005年9月に宮本さんがつくった、その名も「179」。何種類もの酵母をつくって、試行錯誤を重ねて、ようやく納得のいく酵母に出会えたという。この酵母は、ほぼすべてのパンに使っているが、生地はほどよい弾力を持ち、手で割った時、ふわりと甘い香り立ちで食欲をそそる。噛むほどに小麦の甘みが感じられ、なるほどリピーターが多いのも頷ける。

食パン、バゲット、オリーブを一粒ずつ入れた小さな串団子のような愛らしいパン、あんぱん、クリームパン、ウインナーパン、ピッツァ、蒸しパンなどその種類は実に多彩。ひっきりなしにお客さんが訪れて、食事パンやおやつパンとして、多種類のパンをどっさりと買っていく。 2、3年前から作りはじめたベーグルも瞬く間に人気商品に。ネチッモチッとしたしっかり系の腰のある食感で、何もつけず、挟まず、そのまま食べても美味しい。

西京味噌を使ったおすすめのパンは、「ゆずとくるみのベーグル ほんのり西京味噌をのせて」。柚子とくるみをベーグル生地に混ぜ込んで、西京味噌とはちみつを合わせたものを表面に塗って、こんがりと焼く。柚子の香り、ピールのほんのり苦みと甘みが爽やかに立って、くるみの香ばしさとムッチリ生地の相性が楽しい。チョコレートや安納芋、チーズなど常時8から9種類のベーグルが揃う。「西京味噌は、パンのコクと甘みを増してくれます。ベーグルだけでなく、いろいろなパンに応用していきたいですね」

パンづくりへの情熱溢れる宮本さんのこれからのチャレンジが楽しみである。

取材協力 /
Flip UP!
TEL:075-213-2833
郡 麻江
  • 柚子とクルミのベーグル ほんのり西京味噌をのせて(194 円)
  • 京都の伝統的味噌、西京味噌が、京都の名店パン屋とコラボレーション
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