『Mommy』グザヴィエ・ドラン監督の映像技法に迫るミニドキュメンタリー

2015.04.10

グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)監督の最新作『Mommy/マミー』が、4月25日に国内で公開される。これに合わせて同作の公式サイト上で、約10分間のミニドキュメンタリー『グザヴィエ・ドランのスタイル』が公開された。

グザヴィエ・ドランは、09年公開の映画『マイ・マザー』でデビューした映画監督。その後、『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』などの作品を発表。デビュー以来、すべての作品がカンヌ国際映画祭、ベネチア国際映画祭に出品されている。14年に発表した最新作『Mommy/マミー』はカンヌ国際映画祭において、巨匠ジャン=リュック・ゴダール(Jean-Luc Godard)と並んで審査員特別賞をW受賞した。

そんな彼の特徴的な映像技法の一つが画角の工夫。前作の『トム・アット・ザ・ファーム』では、恐怖がピークに達する場面で画面の縦幅を狭めている。これによって人物の心の動きと観客の心情を同調させた。更に、最新作の『マミー』では主人公の個を強調するため、1:1のアスペクト比を採用。余計なものが映らない分、登場人物に観客の視線を集中させている。

その他、彼の作品に多用される“背面ショット”は、登場人物と同じ目線を持つことで、彼らの視点や気持ちを追えるように意識したもの。カメラと人物の絶妙な距離感、カメラの視点、スローモーションの使用など、一見ランダムに見える中にも考え抜かれた表現技法が用いられている。

ムービーではドランの表現技法や作品の傾向について、実際の映像を交えながら詳しく解説されている。映画館に行く前に彼の世界観を知ることで、作品を更に楽しむことが出来るだろう。
HEW
  • グザヴィエ・ドラン監督の最新作『マミー(Mommy)』
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